EV市場は中国が覇権を握る? トヨタと異なる中国版テスラ「NIO」の戦略とは

EV化が加速する世界の自動車産業ですが、次世代EVの鍵を握るのが「全固体電池車」の市場投入です。そうしたなかで、中国の中国の新興EVメーカーのNIOから2022年第4四半期に全固体電池車の販売を予定していることが明かされました。これまでのEVとは、どのような部分が異なるのでしょうか。

クルマの未来を占う、「全固体電池」とは

 電気自動車(EV)の心臓部ともいえるバッテリーですが、次世代型の「全固体電池」が実用化されれば、世界が大きく変わるといわれています。
 
 トヨタが積極的に開発を進めているといわれていましたが、中国の新興EVメーカーのNIOから2022年度中の実用化が発表されました。

2021年1月9日に中国で発表された新興EVメーカーNIOの新型EV「ET7」。2022年には全固体電池車を発表予定となり、今後の次世代EV市場をけん引するか注目される
2021年1月9日に中国で発表された新興EVメーカーNIOの新型EV「ET7」。2022年には全固体電池車を発表予定となり、今後の次世代EV市場をけん引するか注目される

 一般的に、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンといった内燃機関をもつクルマに比べて、電気自動車(EV)はゼロエミッション(有害な排出ガスを出さない)というメリットがある一方で、内燃機関車に比べて航続距離が短いことや、充電に時間がかかるというデメリットがあります。

 しかし、そうしたEVのデメリットを限りなく克服するものとして期待されているのが、全固体電池と呼ばれる次世代型のバッテリーです。

 現在販売されているEVには基本的にリチウムイオンバッテリーが採用されており、全固体電池もっ基本的な仕組みはリチウムイオンバッテリーと類似しています。
 一方、リチウムイオンバッテリーでは電解液と呼ばれる有機溶剤系の液体が使用されているのに対し、全固体電池はすべて固形物によって構成されています。

 リチウムイオンバッテリーのように液漏れによるリスクがないため、安全性の向上や設計の自由度が高まるばかりでなく、より強力なうえ、リチウムイオンバッテリーに比べて急速充電が可能です。

 さらに劣化が少なく、寒冷地での効率減少が少ないなどといった、EVに必要とされるあらゆる機能が兼ね備わった次世代型バッテリーといわれています。

 日本ではトヨタが全固体電池の開発に積極的で、トヨタによると全固体電池を搭載する超小型EV「コムス」での走行テストは成功しています。

 そのため、早ければ2022年頃に登場する予定の次期型「プリウス」で採用されるとの噂もありますが、全固体電池は量産化に課題があるとされており、現時点で公式発表はありません。

 新興EVメーカーの代表格であるテスラからも、近い将来全固体電池搭載車両が発表されると目されています。

 いずれにせよ、既存のEVのデメリットを打ち消し次世代の覇権を奪う、まさしく「ゲームチェンジャー」となれる可能性を存分に秘めている全固体電池を、どのメーカーが先陣を切って発表するのかという点に、世界が注目しています。

 そんななか、ダークホースともいえるNIOから、世界に先駆けて全固体電池の実用化が発表されました。

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