SUVでもタイヤチェーン装着不可のクルマが増加!? 突然の降雪時の対処方法とは

ノーマルタイヤは雪道やアイスバーンでは止まれない!?

 ノーマルタイヤで、しかもタイヤチェーンが装着できない状態で、雪上やアイスバーンを走行するのは非常に危険です。

 ノーマルタイヤで雪道やアイスバーンを走るのがどれだけ危険かがわかる実験結果を、2017年にJAFが実施しています。

雪上でのノーマルタイヤの制動距離はスタッドレスタイヤの1.7倍
雪上でのノーマルタイヤの制動距離はスタッドレスタイヤの1.7倍

 この「雪上走行テスト」では、時速40kmからの急ブレーキで圧雪路(雪が残っている道)と氷盤路(路面が凍っている状態)での制動距離(ブレーキをかけて止まる距離)をさまざまなタイヤで実験し、結果を公表しました。

 圧雪路での制動距離は、スタッドレスタイヤが17.3mだったのに対し、ノーマルタイヤは29.9m、タイヤチェーン装着車では28.4mでした。

 つまり、ノーマルタイヤのままでは止まるまでにスタッドレスタイヤの約1.7倍もの距離が必要だということです。

 この傾向は、突然雪が降りはじめた場合でも同じで、かなりの制動距離が必要だとされています。

 一方氷盤路の制動距離は、スタッドレスタイヤの78.5mに対しノーマルタイヤは105.4mも滑走。このテストではタイヤチェーンが威力を発揮して59.0mでした。

 雪上やアイスバーンでのスタッドレスタイヤの優位性は明らかですが、雪のない舗装路に限っていえば、ノーマルタイヤのほうが静粛性も乗り心地もグリップ性能も上です。

 雪がほとんど降らない地域に住んでいる人にとって、年に数回あるかないかの降雪のために、スタッドレスタイヤを準備することは負担になることもあるでしょう。

「ウインタースポーツをする人や、雪が降っているエリアに出向く機会が多い人はスタッドレスタイヤの装着がベストとだと思います。

 しかし、年に1、2回程度しか雪が降らない地域では、スタッドレスタイヤはもったいないので、そんなときは『スノーソックス(布製タイヤチェーン)』を準備するのがオススメです」(整備士H氏)

 スノーソックスは、その名の通り、タイヤに布製の特殊な袋状のチェーンを被せるだけで雪道などの走行ができるものです。

 先述したJAFのテストでは、圧雪路で20.1m、氷盤路で99.2mと若干ではあるものの、ノーマルタイヤよりもスノーソックスのほうが制動距離が短くて済むようです。とくに圧雪路での制動距離の短縮はチェックしておきたいポイントです。

「なぜスノーソックスをおすすめするかというと、輸入車を含むほとんどのクルマに装着が可能だからです。

 金属チェーンや樹脂製(非金属)チェーンなどが装着できないクルマでも装着でき、しかも装着は停車しているクルマの駆動輪に半分かぶせ、タイヤを半周動かしたら残り半分をかぶせるだけです。軽量で折りたたむこともできるので、トランクでも場所を占領することもありません」(整備士H氏)

 また、スノーソックスはフェンダー内部と接触しても、布製のため傷になりにくいのもポイントです。

「スノーソックスは理論的には圧雪路にはかなり有効だといわれていますが、氷盤路は摩擦係数が極端に低いので不得意という面もあります。

 それでもノーマルタイヤで走行中に、突然降り出した雪への緊急対策としてトランクに入れてあるだけでも安心できるのではないでしょうか」(整備士H氏)

※ ※ ※

 タイヤチェーンもスノーソックスも、FF車なら前輪、FR車なら後輪、4WDの場合はメインのタイヤに装着します。

 非駆動輪に装着すると効果を発揮できないので、あらかじめクルマの駆動輪を調べておきましょう。

【画像】プリウスの後輪にチェーン装着は間違い! 誤装着すると雪道でどうなる?(19枚)

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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