SUVでもタイヤチェーン装着不可のクルマが増加!? 突然の降雪時の対処方法とは

冬にスタッドレスタイヤを装着しない人のなかは、雪が降ったらタイヤチェーンを用意すればいいと思っている人もいるでしょう。しかし、最近のクルマにはチェーンが装着できないものも増えているのです。それはなぜなのでしょうか。

タイヤチェーンを装着できないクルマが増えている!?

 クルマの冬支度の定番ともいえる「スタッドレスタイヤ」ですが、雪が少ない地域に住んでいる場合、ノーマルタイヤ(夏タイヤ)のままで1年を過ごす人も多いのではないでしょうか。

 ここ数年は雪が少ないシーズンが多く、さらに、年に数回しか雪が降らない都心部の人のなかには、「いざとなったらタイヤチェーンをカー用品店などで買えばいい」と考えている人もいるでしょう。

チェーン装着不可のクルマが増加している
チェーン装着不可のクルマが増加している

 しかし最近は意外にも「タイヤチェーン装着不可」のクルマが多く存在しているのです。

 国土交通省が2018年に定めた「チェーン規制」は、大雪に対する緊急発表や大雪特別警報が出るなど、異例の降雪があるときに実施されます。

 チェーン規制は、降雪量がとくに多く、急な上り下りのある峠や高速道路など、実施エリアが指定されているのですが、チェーン規制が実施されたらタイヤチェーンの装着が必須となります。

 このチェーン規制の目的は、従来では大雪による立往生を防ぐために全面通行止めにしていた区間でも、タイヤチェーンを着けていれば通行できるようにすることで、通行止めをおこなう時間を短縮することを目指しているといいます。

 なお、チェーン規制が実施されているときは、スタッドレスタイヤを装着していてもタイヤチェーン装着が必要となります。

 いざというときに必要になるタイヤチェーンですが、じつは装着不可のクルマが増えているのです。

 たとえば、カー用品製造大手の「ソフト99」のウェブサイトにはタイヤチェーン装着不可の車種がリスト化されていますが、国産車ではトヨタ「ハイエース」や日産「NV350キャラバン」、トヨタ「C-HR」、ホンダ「フリード」など、チェーンの種類によっては装着できないことがあるようです。

 輸入車ではチェーン装着不可のモデルも多く存在しており、車種ごとに専用のタイヤチェーンが純正で用意される場合もあります。

 昔はどんなクルマも装着できたように思いますが、なぜ最近はタイヤチェーンを装着できないクルマが増えたのでしょうか。都内の現役整備士 H氏に理由を聞いてみました。

「近年では、見た目や走行性能の向上などを理由にタイヤの外径自体が大きくなり、タイヤの外側とフェンダー部分の間隔(クリアランス)が狭くなっていることが関係しています。

 カスタムの定番であるローダウンやエアサスなども、タイヤとフェンダーの隙間を減らすことで見た目の迫力やカッコよさが増すわけですが、クリアランスが狭くなるとタイヤチェーンが装着できなくなるのです」

 純正仕様でもスタイルを重視することでクリアランスが狭くなっているモデルが存在。前出のC-HRは、18インチと19インチの大径タイヤを装着したモデルはタイヤチェーンが装着できませんが、17インチタイヤであれば装着することができるとされています。

 ちなみに、以前の国産車では、タイヤチェーン装着を前提にタイヤをフェンダーより内側にオフセットさせて、タイヤチェーンを装着しても十分なクリアランスが確保されていました。

 以前のクルマは大抵がタイヤチェーンを装着できた代わりに、タイヤとホイールが内側に少し入った状態なので、見た目が迫力不足だったのは否めない事実でした。

 そのため、クルマのスタイルを重視する人は、「ホイールスペーサー」と呼ばれる調整パーツをハブボルト(車軸側にあるホイールの受け部分)とホイールの間に挟み、いわゆる「ツライチ」にするというカスタムを施すのですが、今度は走行中にフェンダー内側とタイヤが干渉してしまう可能性があるのです。

 整備士H氏も、「以前の国産車のようにタイヤがフェンダーより内側に入ってしまうと、空力特性やコーナリング性能などにも影響が出てしまう可能性もあります」と指摘しており、バランスが難しい部分でもあるといえるでしょう。

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5件のコメント

  1. 2駆しかないSUVもありますからね。

  2. SUVが扁平タイヤ装着してチェーン不可とかアホのすることやな

  3. フェンダーだけじゃないから。サスペンションとのクリアランスがない事もあります。タイヤ幅広くなれば内外共にスペースが無くなる事をちゃんと説明しないと。

  4. 「スタイルを重視する人は、ホイールスペーサーを入れて」とあるが、重視するならインチアップした社外ホイールをツライチに合わせてオフセットを合わせる。純正ホイールでツライチだけ合わせているスタイル重視って、居ないだろ。

  5. 何をもって「突然の雪」というのでしょう。
    過去5年冬の雪がなく、天気予報で気温3度以下の予報も出ていない雪の予報もない、そんな状況で雪が降ってきて路面が真っ白になったら、突然の雪と言っていいと思います。
    そもそも、都市部で家の近所しか走らない場合を除いて、北海道・本州・北部九州あたりでは冬に遠出のドライブとなれば雪の可能性はそれなりにありますよね。
    なら、ノーマルタイヤに慣れないチェーン装着ではなく、オールシーズンタイヤにしておくべきではないでしょうか。
    雪国では、初雪の頃にはほとんどの車がスタッドレスタイヤに履き替えます。
    圧雪凍結、氷点下の路面を走行するならスタッドレスタイヤは必須です。
    しかし、首都圏などのように数年に1度しか雪が降らない、降って路面が真っ白になっても翌日天候が回復すればほとんど溶けてしまうという状況なら、新雪の雪道はオールシーズンタイヤで十分走行可能です。
    自分で装着できるかどうかわからないチェーンを買って荷室に置いておくより、お金も時間も荷室のスペースも無駄になりません。

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