首都高トンネル内で鉄道案内は何のため? ピンクバス看板設置の意味とは
首都高速道路の中央環状線山手トンネルを走っていると、「京王線」の看板が出ています。トンネル内を走るクルマに、鉄道路線を知らせる必要はあるのでしょうか。また首都高の至る所で見られるピンクのバスのマークの意味について、首都高に聞いてみました。
首都高に鉄道看板設置の目的は? ピンクのバスは何のため?
都内と首都圏をぐるっと囲むように走る「3環状」のもっとも内側に位置する首都高速道路中央環状線ですが、その大井JCTから高松入口間にある道路トンネルが、「山手トンネル」です。
2015年3月の全線開通によって、全長が内周りで18.098km、外回りで18.597kmとなり、関越自動車道の関越トンネルを超えて日本で一番長い道路トンネルとなっています。
しかも、鉄道網が複雑にはりめぐらされている東京の西側を南北に貫くだけに、トンネルもその間を縫うように作られているのも特徴。
山手トンネルの下側には東京メトロ有楽町線、副都心線、都営大江戸線、上側には東京メトロ東西線、丸ノ内線、京王線、京王新線、東急田園都市線など、多くの鉄道と交差しています。
そんな山手トンネルですが、新宿近辺にさしかかると「京王線」の看板があることに気付きます。
確かにその付近では、京王線がトンネルの上を交差しているのですが、地下を通るトンネルに、なぜ地上を走る鉄道の標識が必要なのでしょうか。
首都高速道路株式会社の経営企画部広報課(以下、首都高広報課)に聞いてみたところ、「交通上の手掛かりを与える目的で、おおまかな地理関係の目安という形で設置しています」とのこと。
本線上で著名な都市施設(公園、鉄道、橋梁など)を横断する地点、またはその付近を通過する地点に設置する、ランドマーク案内標識のひとつだそうです。
地下を走るため、景色も見えず、カーナビなどでの自車の位置も確認しにくいトンネル内だけに、著名な施設の場所を知ることはもしもの事故の際には避難の目安にもなるのです。
なお、京王線のほかにも、小田急線や井の頭線の看板など、さらには「初台」「中目黒」などといった地名も各所に掲げられています。
首都高の気になる看板といえばもうひとつあります。2020年の2月ごろから設置が始まった「TOKYO 2020」のピンクの文字とバスがデザインされた看板です。
これは一体どのような目的で設置されているのでしょうか。
「東京オリンピック・パラリンピック競技大会の選手や関係者の輸送ルートであるORN(オリンピック・ルート・ネットワーク)/PRN(パラリンピック・ルート・ネットワーク)に設置されるものです。
大会関係車両が通行する路線であることを道路利用者に周知し、円滑な大会運営のために大会開催中の利用抑制や、利用時間の変更などに協力いただくことを目的に、大会組織委員会が看板を設置しております」(首都高広報課)
東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルスの影響で開催が延期となりましたが、首都高では2021年の開催に向けて撤去することなく設置しているそうです。
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東京オリンピック・パラリンピック競技大会の関係車両の通行ルートを示している路線看板は、そこを走行すること自体に規制が伴う標識ではありません。
しかし、大会期間中は関係車両の優先や専用レーンが設けられ、標識と路面標示が追加される予定です。
通行帯違反をすると、交通違反の切符を切られることもあるので注意しましょう。
東北自動車道の利根川橋梁はあえてトラス(カゴ状の構造物)で目立つようにしているのは、橋の構造補強以上に関東を代表する大河、かつほぼ関東平野の真ん中というのをアピールする意味合いもありますね。東北地方から南下してくると東京まであと少しと認識できます。逆はいよいよ北へ向かうぞ感。他の川とは別格扱い