コロナ禍の年末年始暴走どうなる? ヤンキー系激減も走り屋系が増加する理由とは

コロナ禍で走り屋系暴走族の活動が活発に? 大晦日は渋谷で大規模取り締まりを実施

 近年、とくに増え続けている「違法競走型」いわゆる走り屋系暴走族は、コロナ禍において、どのような活動をおこなっているのでしょうか。

 違法競走型の暴走族は、平成30年から総人員がジワジワと増え続けていますが、注目すべきは「い集・走行回数」です(い集とは1か所の場所に集まること)。

 前述の最新版の警察白書によると、平成27年では145台だったのが令和元年では約2倍の276回と増加しています。

 これはどういうことなのでしょうか。前述の警察関係者は「旧来のヤンキー系暴走族が減った分、ローリング族や首都高ルーレット族、阪神高速環状族などの取り締まりを強化しているのではないでしょうか」と説明します。

 2020年はコロナ禍で特別な状況ではありましたが、確かに4月頃から首都高速ルーレット族の取締りが非常に厳しくなりました。

 ルーレット族が速度違反で検挙されたり、ルーレット族が関わったりする事故の報道も度々目にしました。

 ルーレット族対策として4月頃から、新たに首都高でも移動オービスでの取り締まりがおこなわれる機会が増え、8月には光電管方式の移動オービスもテスト運用されています。

 筆者(加藤久美子)も実際に首都高深川線などで小型移動オービスでの取り締まりに遭遇しましたが、持ち運び簡単で場所をとらず、少人数(最低警察官1名でも可能)での取り締まりが可能であるため、現在も首都高都心環状線を中心に、速度違反の取り締まりがおこなわれているようです。

PA封鎖を案内する電光掲示板(写真:加藤博人)
PA封鎖を案内する電光掲示板(写真:加藤博人)

 全国の都道府県警察では2020年も、年末・年始に暴走族の取り締まりを予定しています。

 暴走族などによる「走り納め」や「初日の出暴走」などと称した違法走行や富士山などの景勝地などを目指した旧車會員などによる大規模走行の取り締りがおこなわれる予定です。

 2020年12月24日には、警視庁が年末年始における暴走族等の違法走行や不正改造車両に対する集中取締りについて発表しました。

 それによると、取り締まりが強化される時期は、2020年12月31日から2021年1月3日までの昼夜を通じておこなわれます。

 取り締り地域において、一般道については都内全域。高速道路については首都高速道路全線、中央自動車道及び圏央道の全域です。

 12月31日には、渋谷駅周辺で不正改造車両などの取り締りも予定されています。

 なお、12月31日は首都高大黒PAが18時から翌朝まで閉鎖を予定(トイレの使用は可能)。

 加えて現在もルーレット族対策のため、金曜・土曜の22時から4時の間は、箱崎・芝浦・辰巳第一の各PAが閉鎖されています。

 箱崎や芝浦はトイレなど使えますが、辰巳第一PAはトイレの使用もできない完全閉鎖となっています。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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