コロナに翻弄された2020年「勝手にベスト3」発表! エンスーが選ぶ3台とは
435台しか作られなかったレアモデルは思い出の1台!!
●ランチア「フルヴィアHFクーペ」
なにぶんクラシックカーにまつわる仕事の割合が多い筆者は、新型コロナ禍のさなかにあっても旧いクルマに乗る機会は依然として多いのだが、今年乗った中でもっとも魅了されてしまったのが、1967年型のランチア「フルヴィアHFクーペ」だった。
1965年に登場したフルヴィア・クーペをベースに、ラリー競技でのアドバンテージを得るために開発された軽量・ハードコア版として1966年1月に発売。翌年までに435台のみ作られたという、超レアなモデルである。
以前、試乗の機会を得た標準版のフルヴィア・クーペも素晴らしかったのだが、こちらの魅力はもう一枚上だった。
旧き良きランチア独特の狭角V型4気筒エンジンは、わずか80psに過ぎないものの、いわゆる「カムに乗る」回転数に入ると、810kgの軽量なボディがさらにひと回り軽くなったかのような、実に心地よい加速感を披露してくれる。
一方ボディは、時代を先取りした剛性感を披露する傍ら、サスペンションはストロークの長さと有効な動きを感じさせる。しかも往年のランチアの美風として組み付け精度が圧倒的に高いせいか、操作系の感触は非常に上質なもので、ハンドリングはクイックながらも旧い前輪駆動車とは思えないほどにナチュラル。すべてが感動的なフィールを堪能させてくれたのである。
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