間もなく登場? 新型「フィットモデューロX」 超絶凄い「モデューロ」の魅力とは
発売が待ち遠しい、「フィット・モデューロX」を味見してみた!
今回はこれに加えて東京オートサロン2020に参考出品され、現在発売に向けて鋭意開発中の「フィットモデューロX コンセプト」の開発車両を味見させていただきました。
開発陣に話を聞くと、「細かい部分を除けばほぼ量産仕様です」といいます。
エクステリアはモデューロXの実効空力理論に基づいてデザインされた前後バンパーが最大の特徴です。
フロントマスクはノーマルのホノボノ顔に精悍さをプラス。インテリアはノーマル最上級グレードの「LUXE」をベースに、モデューロX専用のブラック/ボルドーのコーディネイトを採用。
シートは体を支えるために滑りにくい素材に変更されていますが、欲をいえば「ヴェゼルモデューロX」に装着されるオリジナルシートを水平展開してもよかったと思います。
フットワークは専用チューニングのサスペンションと軽量かつ剛性バランスまでこだわったアルミホイールを採用とモデューロX定番の変更点です。
タイヤはノーマルの上級グレードと同じく185/55R16の横浜ブルーアースAを履いています。
現行フィットの走りは、従来の「解りやすさ」から「心地よさ」と官能性を重視したセットアップで、実際に乗ると「モデューロXに近づいたな」と感心するところもありましたが、やはり本家は一歩先をいっています。
ほかのモデルと同じく、「空気の力を味方にする」、「しなやかで接地性が高い」、「四輪で舵を切るような感覚」、「フラット感」というモデューロX共通の乗り味は不変です。
しかし、いい意味で「心地よい硬さ」を持たせている部分や、限界を見てみたくなる懐の深さなどから感じる、「ワクワク」や「面白さ」がプラスされています。
ちなみにフリード/ステップワゴンなどミニバン系のモデューロXは割とクールな仕立てですが、フィットはちょっと“熱血”が入っており、モデューロXのなかではS660に近いフィーリングに感じました。
ノーマルよりも「心地よい」走りに。どんどんペースも上がり、モアパワーを感じてしまったくらいです。
このように走りに関しては「ちょっとやんちゃな大人スポーツ」に仕上がっていますが、見た目から走りの良さが伝わりにくいのが気になるところです。
現行フィットにはスポーティな「RS」が設定されていないので、ユーザーはモデューロXにそのイメージを重ねているはずです。
その辺りを踏まえると、もう少し視覚的なスポーティな表現も必要だと感じました。
もちろん、機能を無視して意匠にこだわる必要はありませんが、市販時にはより直感的に「モデューロXが欲しい!!」と感じさせるようなプラスαを期待したいところです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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