フェラーリと同じくらい高価だった! AMGチューナー時代の遺産「SL70AMG」とは?

AMGジャパンでチューニングされた「SL70AMG」とは

 最高出力489psを発揮したM120型エンジンには、いわゆる前期型のクローズドデッキであるシリンダーとブロックの外壁がほぼ一体に成型されたもののみが使用され、オープンデッキの後期型は使用されない。

 これは強大なパワーに対する対応策で、出品車は1996年1月に「SL600」として日本に輸出された後に、同年2月から5月にかけてSL70へとAMGジャパンの手でモディファイされた。同時に最高出力が510psへとアップする「SL70パワーパック」を装備したことも確認されている。

●1996 メルセデス・ベンツ「SL70AMG」

オーバーフェンダーなどは装着されていないが、タダモノではないオーラを放つメルセデス・ベンツ「SL70AMG」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
オーバーフェンダーなどは装着されていないが、タダモノではないオーラを放つメルセデス・ベンツ「SL70AMG」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 AMGの3ピースホイール、そして「AMG by Sebring」エグゾーストのセットも、このモデルの魅力的なところだ。

 このロードスターに必要不可欠なロードホールディング、そしてサウンドを、カスタマーはこれらのアイテムから享受することができるようになるからである。

 出品車に付属されるドキュメントには、前オーナーがスパークプラグやブレーキマスターシリンダー、ヘッドおよびサンプガスケットなどのOEM部品を交換した記録も残っている。

 1994年から1998年の間に製作されたSL70のなかで29番目に相当するという出品車。そのコンディションは抜群だ。

 走行距離は6万1323kmだが、やはりその存在は目立ったのだろう、11万5500ポンド(邦貨換算約1594万円)での落札となった。チョイ怖時代のAMGは、まだまだ世界的にもその人気は衰えていないのだ。

【画像】日本にデリバリーされていた「SL70AMG」を確認する(20枚)

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