まさにフランスの工芸品! 「DS7クロスバック」が表現する世界観を味わった

フレンチラグジュアリーという文化を伝える大事なモデル

 エンジン・スタート・ストップボタンはダッシュボード上部のエアコンの吹き出し口中央にある。エンジンをかけるとそのボタンのすぐ上のB.R.Mの時計が起き上がり、アナログ文字盤が見えてくるという仕掛けだ。この時計の周辺のパネルにもダイヤ型のデザインが組み込まれている。

「DS7スポーツバック」のインパネ。囲まれ感が強いコックピットだ
「DS7スポーツバック」のインパネ。囲まれ感が強いコックピットだ

 エンジンがかかるとインストルメントパネルがハンドルの奥に浮き上がってくるが、ここもダイヤ型のデザインだ。スピードメータは240km/hまで刻まれ、タコメータは6000rpmからレッドゾーンになっている。

 インストルメントパネル右側のダイヤ型の中にドライブモードの表示が出る。マニュアル、スポーツ、ノーマル、コンフォート、エコ、サンド、マッド、スノーと選択肢はたくさんある。これを切り替えるのはセンターコンソールの前方左側のスイッチだ。このセンターコンソールのスイッチ部分の周辺のパネルにもダイヤ型の装飾が刻まれている。

 このように、止まったままでも見どころ満載のDS7クロスバックだが、そろそろ走り出そう。

 DS7クロスバックには、2リッターディーゼルモデルと1.6リッターガソリンモデルがあるが、試乗車はピュアテックと呼ぶ1.6リッター直列4気筒ガソリンターボ搭載モデル。最高出力225ps/5500rpm、最大トルク300Nm/1900rpmを発揮する。これを8速ATと組み合わせる。

 全長4590mm×全幅1895mm×全高1635mmとミドルサイズSUVであるが、車重は1590kgに抑えているから走りの性能に不満はない。100km/hで走行中のエンジン回転数は1850rpmで、車内は静かな空間を保っている。

 乗り心地は、試乗する前に筆者がイメージしていたよりはしっかりしている感じだった。ハンドル応答性も中央付近の遊びも小さく、切った分だけ反応する感じはいい。車高は高めであるが、ふらつく感じやロール感はない。サスペンションストロークはたっぷりしているが、穏やかにゆっくり動くDSらしいセッティングによるものだ。

 混んだパリの街並みを走るのもきっと気持ちいいだろう。またロングドライブにも行きたくなるクルマだ。

 DS7クロスバックは、フレンチラグジュアリーという文化を伝える大事なクルマなのだ。

「DS7スポーツバック」の走り
「DS7スポーツバック」の走り

DS7 CROSSBACK GRAND CHIC

・車両価格(消費税込):589万円
・試乗車オプション込み価格:675万6500円
・全長:4590mm
・全幅:1895mm
・全高:1635mm
・ホイールベース:2730mm
・車両重量:1590kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1598cc
・駆動方式:FF
・変速機:8速AT
・最高出力:225ps/5500rpm
・最大トルク:300Nm/1900rpm

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