なぜトヨタ「ランクル」販売急増? 登場から10年以上も人気が再燃する理由とは

一部改良以外にも人気再燃の要因があった?

 2020年8月の一部改良により、販売台数が増加しましたが、それ以外の要因はないのでしょうか。

 最近のランドクルーザーシリーズについて、別のトヨタ販売店は次のよう話します。

「プラドは販売時から人気があり、ランクルシリーズの国内販売の大半を占めています。

 ランクルはどちらかというと本格四駆という印象がありますが、駐車場などの関係でコンパクトで扱いやすいプラドを選ぶという人が多いです。

 また、キャンプなど個人や家族でできるアウトドアレジャーの人気が高まっており、若年層を中心に販売台数が伸びています」

現行モデルとなる「ランドクルーザー(200系)」。2021年には次期型の300系が登場するといわれている。
現行モデルとなる「ランドクルーザー(200系)」。2021年には次期型の300系が登場するといわれている。

 2020年は新型コロナウィルスの影響もあり、密を避け都会から離れた場所で休日を過ごすといった傾向が見られ、アウトドア需要の高まりが多い年となっています。

 2020年の流行語大賞には「ソロキャンプ」がノミネートされるほどキャンプ業界が盛り上がりました。

 キャンプ場の関係者によると、2020年1月から11月までの昨年対比が+200%になったというデータもあります。

 そうしたアウトドア需要の高まりや、アウトドアにも街乗りにも使いやすいという要因がプラドの販売台数を急増させた理由のひとつといえるでしょう。

 プラドのパワートレインは2.7リッターの直列4気筒ガソリンエンジンモデルと、2.8リッターの直列4気筒ディーゼルターボエンジンモデルの2種類を設定。

 また、プラドは本格クロスカントリーのテイストを持ちながらも、街乗りやレジャーにも適応させたモデルとなっています。

 荷室はバックウィンドウが隠れないラインまで積んだとして5人乗車時で621リッター、2人乗車時は1151リッターとなっており、家族5人でキャンプに出かけても、十分に荷物を積むことが出来る荷室の大きさがあります。

 さらに持ち前の悪路走破性でさまざまな道に対応していることからも、アウトドアに適したクルマとして人気が上昇していることが分かります。

 ほかにも、アウトドアにも適したクルマが売り上げを伸ばしているようです。

 日本自動車販売協会連合会の2020年11月の月間販売台数を見ると、三菱「デリカD:5」が前月比で109.6%、日産「エクストレイル」が前月比114%と、アウトドアと日常使いに両方適しているモデルが販売台数を伸ばしています。

 また、ランドクルーザーシリーズなどSUVなどのカスタマイズを得意とする専門店スタッフは次のように話しています。

「最近は、SUV人気もあり、新古車問わずさまざまなモデルでカスタムの依頼を受けます。

 なかには、新車購入後すぐに車高アップやオフロードパーツを装着する人が以前よりも増えている印象です。

 とくにプラドは、オフロードテイストと快適性のバランスが良く、再注目されているようです」

※ ※ ※

 今回、ランドクルーザーシリーズの販売台数が急増した要因には、直近の一部改良によりその商品力がユーザーニーズにマッチしたことや、近年のアウトドアブームといったふたつの要素が相まった結果ともいえるようです。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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