電動化加速で軽も200万円台が主流に? 100万円台で買える新車は激減するのか

軽自動車の電動化が進むとどうなる? 100万円台モデルは激減か。

 最近では、世界各国で2030年から2040年の間に、純粋なガソリン車/ディーゼル車の販売(内燃機関車)を禁止し、電動車(ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車)の販売のみに移行する方針が打ち出されています。

 とくに厳しい地域では、内燃機関車とモーターを組み合わせたハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も禁止にすると明言しているところも出ているほどです。

 また、日本でも「2030年半ばに純ガソリン車の販売禁止を検討」という報道があったように、あと10年ほどで純粋な内燃機関のみを搭載するモデルが姿を消す可能性があります。

 そうしたなか、現在の軽自動車は自然吸気またはターボを搭載するガソリン車が大半を占めています。

 スズキでは、国内ラインナップの半分くらいにマイルドハイブリッドを搭載していますが、これは発進時など限定的な条件でモーターがアシストするもので、電気(EV)のみで走行は出来ません。

 なお、スズキの軽自動車「スペーシア」は2013年に初代モデルが登場し、2代目モデルは2017年末に登場しています。

 ハイブリッドの進化という意味では、現在のマイルドハイブリッドシステムの前身ともいえる「エネチャージ」を搭載、2代目モデルでは現在のモーターアシストが可能なものが搭載され、装備差もあり一概に比較出来ないものの、エントリーモデルで10万円から15万円ほど価格が上昇しました。

 では、軽自動車がハイブリッド車ならび電気自動車となると、どのくらいの価格帯になるのでしょうか。

 現在、国産車においてガソリン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車を設定しているのが、トヨタのミドルサイズSUV「RAV4」です。

 それぞれのエントリーモデル価格は、ガソリン車(Xグレード)が274万3000円、ハイブリッド車(HYBRID Xグレード)が334万3000円、プラグインハイブリッド車(Gグレード)が469万円となっています。

 実際には、ガソリン車が2リッターエンジン/2WD、ハイブリッド車が2.5リッター+モーター/2WD、プラグインハイブリッド車が2.5リッター+モーター/電気式4WDと、排気量や駆動方式が異なりますが、価格面を見るとガソリン車とハイブリッド車で約60万円、そのハイブリッド車をベースとしたプラグインハイブリッド車で約135万円の価格差が存在します。
 
 電気自動車においては、日産「リーフ」(40kwh仕様)のエントリー価格が332万6400円、SUVタイプの電気自動車日産「アリア」は2021年中頃に登場する予定ですが、日産はエントリーモデルと見られる65kwh/2WDを「お客さまの実質購入価格は約500万円からとなる見込みです」と説明しています。

 軽自動車に近いボディサイズでいえば、ホンダの小型電気自動車「ホンダe」(35.5kWh)は451万円です。

 これらのように、純粋なガソリン車から電動化が進むにつれ、価格は上昇傾向にあることは確実といえます。

電気自動車のコンセプトカー「ニッサン IMk」。近い将来に軽EVが登場する?
電気自動車のコンセプトカー「ニッサン IMk」。近い将来に軽EVが登場する?

 そうしたなかで、日産は東京モーターショー2019で新開発のEVプラットフォームを採用した軽自動車クラスの「ニッサン IMk comcept」をお披露目。

 三菱は2020年7月28日に同社の水島製作所(岡山県)において、新型軽電気自動車(以下、軽EV)を生産するための設備投資をおこなうことをすでに発表。

 三菱は軽EVについて「新型軽EVについては、アライアンスを組む日産との共同開発を検討しており、生産工場は水島製作所を予定しています」と説明しています。

 このことから、近い将来には軽EVが登場する可能性が高まっていますが、新たな設備投資などのコスト増などもあり、価格は「300万円超えするのではないか」という声も聞こえてきます。

※ ※ ※

 日本の道路事情を支えてきた軽自動車ですが、その普及は従来の購入・維持費用の安さが大きく影響しています。
 
 しかし、全世界での脱内燃機関や電動化の波は迫っており、軽自動車価格への影響も確実的なものです。

 先日発表され話題となっている日産新型「ノート」は、フルモデルチェンジで純ガソリン車を廃止、ハイブリッド車(e-POWER)のみとし、廉価版の「Sグレード」が202万9500円となっています。このことからも今後、最新の先進技術や安全機能を採用すると、100万円台の軽自動車やコンパクトカーは確実に激減していくといえるでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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