昔はセダンや1BOXが家族の車!? ミニバン人気以前の定番ファミリーカー5選

1990年代から現在まで、ファミリーカーの定番車種といえばミニバンです。さらに近年はSUVもファミリー層から支持されています。一方、かつてのファミリーカーというと、いまとはだいぶ異なる車種でした。そこで、ミニバン人気が高まる前の、定番ファミリーカーを5車種ピックアップして紹介します。

かつてファミリーカーの定番車種だったモデルを振り返る

 1990年代初頭に、ホンダ「オデッセイ」やトヨタ「エスティマ」などが登場し、ミニバンというカテゴリーのクルマが一気に普及しました。広い室内に3列シートを備え、6人から8人が乗車できるミニバンはまたたく間にファミリーカーの定番車種となります。

ミニバンが普及する以前に家族を乗せて活躍したクルマたち
ミニバンが普及する以前に家族を乗せて活躍したクルマたち

 近年はSUV人気も高まり、比較的子どもが大きい家庭では、ミニバンから乗り換えるケースも増えているようで、SUVも現代のファミリーカーといっていいでしょう。

 一方、ミニバンの普及以前のファミリーカーは、現在とはだいぶ異なる車種だったようです。

 そこで、ミニバン人気が高まる直前の定番ファミリーカーを、5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ5代目「マークII」と派生車

ハイソカーとして一世を風靡したセダンの5代目「マークII」
ハイソカーとして一世を風靡したセダンの5代目「マークII」

 トヨタを代表する大衆車といえば1966年に初代が発売された「カローラ」ですが、マイカーの普及が始まると、さらにワンランク上のクルマが求められるようになり、1968年に「コロナマークII」が登場します。

 その後コロナマークIIは代を重ねるとセダンが主力となり、1980年に4代目が登場すると同時に、販売チャネルが異なる「チェイサー」「クレスタ」が登場。

 この3台は「マークII3兄弟」と呼ばれ、「ハイソカーブーム」のきっかけをつくったモデルとなります。

 ちなみに、ブームが起きた当初は「ハイオーナーカー」と呼ばれていましたが、ある自動車雑誌が「ハイソカー」と名付けたことから、いつしかブーム全体の名前で呼ばれるようになりました。

 このハイソカーブームをさらに広めたのが、1984年に登場した5代目マークIIで、この代から「コロナ」の名がなくなり、マークIIに改められました。

 モデルチェンジでトヨタが重視したのは、3兄弟の性格を明確化することで、ハイオーナーカーのマークII、若々しいスポーティサルーンのチェイサー、落ち着いたイメージのクレスタというコンセプトでした。

 マークII3兄弟は若いユーザーだけでなく、ファミリー層にも支持され、月販2万台から4万台を記録する大ヒットを記録しました。

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●日産8代目「ブルーバード」

高性能グレードだけでなくスタンダードグレードも人気となった8代目「ブルーバード」
高性能グレードだけでなくスタンダードグレードも人気となった8代目「ブルーバード」

 日産は第二次世界大戦後に英国オースチンのクルマのノックダウン生産を開始し、その後自社開発を再開しました。

 そして、1959年に初代「310型 ダットサンブルーバード」が発売されると、デザインやメカニズムは一気に進化しました。

 以降、ブルーバードは代を重ね、1967年に発売された「510型 ダットサンブルーバード」は日本のみならずアメリカでもヒットを記録し、日産の世界進出の足がかりとなります。

 こうしてブルーバードは日産の主力車種の1台となり、1987年に登場した8代目の「U12型 ブルーバード」は、それまでのコンセプトを大きく変えた、ターニングポイントとなったモデルです。

 U12型 ブルーバードは先代のU11に続いてFFを基本として開発されました。発売当初は4ドアセダンと4ドアハードトップで、先代まであったステーションワゴンやバンは廃止。

 ボディサイズは全長4520mm×全幅1690mm×全高1390mmと、同年代の「スカイライン」よりもコンパクトで、外観は角を丸めたスマートな印象で、先代よりも若々しいセダンとなりました。

 搭載されたエンジンは全グレードとも直列4気筒で、排気量は1.6リッター、1.8リッター、1.8リッターターボ、そして2リッターディーゼルをラインナップし、トランスミッションは3速AT、4速AT、5速MTが設定されました。

 8代目ブルーバードといえば、高性能な4WDモデルの「SSSアテーサリミテッド」ばかりがクローズアップされますが、それ以外のモデルでも基本性能が高く、日産のミドルクラスセダンとしてヒットしました。

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●ホンダ4代目「アコード」

ベーシックなセダンとしてコンセプトを変えた4代目「アコード」
ベーシックなセダンとしてコンセプトを変えた4代目「アコード」

 ホンダは1976年に「シビック」の上級車種として、初代「アコード」を発売しました。発売当初は3ドアハッチバッククーペのみでしたが、1977年には4ドアセダンを追加し、その後はセダンが主力となります。

 1989年に登場した4代目では、先代のスポーティなイメージからベーシックなセダンへと変わり、新世代のモデルであることをアピール。

 ボディサイズは全長4680mm×全幅1695mm×全高1390mmと、当時のミドルクラスセダンでは一般的な5ナンバー枠に収まるサイズで、外観は、3代目が流行のリトラクタブルヘッドライトを採用したのに対し、固定式の薄型マルチリフレクターヘッドライトに変更され、落ち着いた印象のフロントフェイスとなっています。

 また、オーソドックスなセダンスタイルながら、角を丸くすることでボリューム感をもたせ、欧州車のような佇まいのスタイルを実現。

 エンジンはトップグレードの「Si」シリーズに、150馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCを搭載し、ほかにも2リッター直列4気筒SOHCのインジェクション仕様とキャブレター仕様、1.8リッターのキャブレター仕様が設定されています。

 同時期にシビックが高性能化して若年層から人気で、「レジェンド」はさらに上級車だったことから、4代目アコードはファミリー向けにちょうど良いポジションのセダンでした。

 なお、4代目は目を見張るような高性能モデルではありませんでしたが、好景気を背景に、品質にはかなりこだわって開発されたといいます。

 その後、ボディバリエーションも増え、北米生産のステーションワゴンとクーペを追加ラインナップし、姉妹車として「アスコット」も販売されました。

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