クラシック・ランドローバーが2500万円!! 高値の理由は「リボーン」にあり

新型「ディフェンダー」のデリバリーがスタートし、注目を集めているランドローバーだが、その先祖たるモデルたちは、オークションの世界でどの様な評価を得ているのか、北米で開催されたオークション結果を見てみよう。

リボーン・プロジェクト第1号車は2500万円!

 クラシックカー/コレクターズカーのオークション業界最大手のRMサザビーズ社は、北米インディアナ州エルクハートにて2020年5月に開催するはずだった大規模オークション「THE ELKHART COLLECTION」を、予定から約半年の延期に相当する10月23ー24日に、COVID-19感染対策を厳重におこなった上での対面型と、昨今の新スタイル「リモート入札」の併催でおこなうことになった。

 2輪/4輪合わせて280台を超える自動車が集められたこのオークションは、実は詐欺の疑いで訴追され、破産宣告を受けたという、さる実業家の資産売却のためにおこなわれたものだそうなのだが、そのコレクションはまさに珠玉と呼ぶに相応しいレベル。

 主に第二次大戦後に生産されたアメリカやヨーロッパ、あるいは日本車も含む名車・希少車たちが勢ぞろいした。

 そんななかでVAGUEが注目したのは、新型の世界的大ヒットで再びスポットライトを浴びることになった元祖「ディフェンダー」と、その原型である元祖「ランドローバー」である。

 ジャガー・ランドローバー・クラシック謹製のレストア車両を含めた、伝説のクロスカントリーカーたちが、アメリカのオークションでいかなる評価をうけたのだろうか?

●1950 ランドローバー「シリーズI SWB カー・ゼロ」

ランドローバー・リボーン・プロジェクト第1号車であるランドローバー「シリーズI SWB カー・ゼロ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
ランドローバー・リボーン・プロジェクト第1号車であるランドローバー「シリーズI SWB カー・ゼロ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 2017年初頭、ジャガー・ランドローバー社は、「ランドローバー・リボーン」と名付けたプログラムの一環として、ランドローバーのアイコン的存在でもあるオリジナルの「シリーズI」モデルを世界中から集め、細心の注意を払ってレストアすると発表した。

 このプロジェクトのベース車両は25台。それぞれ、今も昔もランドローバーの本拠であるソリハルにある専用のワークショップに集結させ、熟練した修復チームのもとでプロジェクトが進められた。

「ジャガー・ランドローバー・クラシック」純正のレストア事業ゆえに、リボーン計画では可能な限りオリジナルパーツを保持し、交換が必要なものは、70年前のオリジナルの素材とプロセスを使用して作られた新しい部品に交換されると謳われた。

 今回「THE ELKHART COLLECTION」オークションに出品されたのは、ランドローバー・リボーン・プロジェクト第1号として、数か月を掛けて修復された「カー・ゼロ」である。

 もともとは、長年にわたって農業車両としてクイーンズランド州で使用されていた個体で、長年放置されていたところを発見されてソリハルに持ち込まれたという。

 リボーン化にあたっては、元色であるブロンズグリーンにペイント。インテリアも時代考証によって選ばれたグリーンのビニール張りが施されている。また、オリジナルのキャンバストップと取り外し可能なサイドウインドウも、当然のごとく新品に取り換えられている。

 エンジンは、修復後もシリーズI 最初期型のオリジナルである1.6リッター直列4気筒をリビルドしながら保持しているとのことである。

 レストアの直後から、ジャガー・ランドローバー・クラシックのPR活動で世界を巡回していた「カー・ゼロ」。2018年の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」を訪れた際に、この個体そのものと対面している筆者としては、コンディションやレストアの精度、もちろん時代考証などには太鼓判を押しても良い。

 レストアされてからの走行距離はわずか126kmということで、現オーナーのもとに移ったのちは、屋内で所蔵されていたようだ。

 この記念すべき「カー・ゼロ」に、RMサザビーズ社は9万ー12万ドルのエスティメートを設定。そして競売ではビッドの応酬となり、なんとエスティメート上限の2倍に相当する24万800ドル。つまり約2520万円という、驚異の高値で落札されるビッグディールとなった。

 これはランドローバーの歴史において、あるいはジャガー・ランドローバー・クラシック部門にとっても特別な意味を持つ1台であることを勘案すれば、当然の結果とも思われるのだ。

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