「クラウンSUV」は成功しない!? 需要低迷も高級セダンに求められる使命とは

トヨタの高級セダン「クラウン」がセダンからクロスオーバー車へと方向転換するという話が出ています。セダンの需要が低迷していますが、クラウンのクロスオーバー化は正しい道なのでしょうか。

カテゴリーを変更して成功した車種はほとんどない

 先ごろ「トヨタ『クラウン』を従来のセダンを廃止し、クロスオーバー車化を検討する」という報道があり、あくまでもSUVではなくクロスオーバー車やSUVに似たモデルへの検討ということです。

 メーカーに真偽を尋ねると「将来の商品計画については返答できません」との回答でしたが、販売店の一部からは別の話も聞かれました。

「クラウンは、高級車としての位置付けを受け継ぎながら、カテゴリーをクロスオーバー車に変更します。『ハリアー』よりもさらに上級のクロスオーバー車に発展します」とのことです。

若返りを図った15代目クラウン
若返りを図った15代目クラウン

 さらに直近の報道では、「セダンプラス」という新しいカテゴリーに発展させる話も出ています。

 しかし過去を振り返ると、同じ車名でカテゴリーを変更して、好調に売れた車種はほとんどありません。

 たとえば日産「レパード」は、初代が4ドアと2ドア、2代目は2ドアのみ、3代目は4ドアのみとコンセプトを頻繁に変えた結果、売れずに終わりました。

 とくにクラウンは、1955年の初代モデル発売以来、基本的に4ドアセダン(4ドアハードトップを含む)を主体に歩んできました。セダン以外のボディタイプでは、クラウンの車名とイメージが合わないでしょう。

 次期クラウンがカテゴリーを変える理由は、登録台数が下がったからです。

 現行クラウンは2018年6月に登場して、同年の登録台数は、先代型も含めて1か月平均で約4200台でした。

 それが2019年は現行型のみを販売したのに、1か月平均で約3000台に下がり、2020年はコロナ禍の影響が収まってきた9月と10月が2000台少々です。

 クラウンは2020年11月に一部改良を受けた影響もあり、9月・10月の登録台数が控え目になったことも考えられますが、低調であることに変わりはありません。

 このような事情によって、クラウンをクロスオーバー車に変更するわけです。しかし、セダンを欲しがるユーザーは、そこまで減ってしまったのでしょうか。

 国内でコンパクトカーを手掛ける開発者は、以下のようにコメントしています。

「中高年齢層のお客さまの間では、いまでもセダンの人気が根強いです。乗り心地や質感を重視されることもあり、日本車から欧州車に乗り替えるお客さまも多く見られます。

 一方、若いお客さまは、ボディが短いために運転しやすい、トランクスペースのないコンパクトな車種を好まれます。また、ミニバンで育った人が増えたことも影響しているのでしょう、スライドドアを備えた車種の人気がとくに高いです」

 ホンダ初代「ステップワゴン」などのミニバンが普及を開始したのは、1990年代の中盤です。1990年に生まれた人が就学年齢に達した頃なので、いまの20代から30代前半のユーザーには、ミニバンで育った人も多いです。

 そうなると2列シートの車種でも、天井が高く、スライドドアを備えた軽自動車やコンパクトカーが馴染みやすいでしょう。

 とくに軽自動車のホンダ「N-BOX」やコンパクトワゴンのトヨタ「ルーミー」などは、小さなボディで運転しやすく、価格も割安で、なおかつ車内は広く後席を畳めば自転車なども積みやすいです。

 若い人達にとって、実用的なファミリーカーを購入するなら、セダンではなく背の高い軽自動車やコンパクトカーになります。

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コメント

1件のコメント

  1. TOYOTAはトヨタに立ち戻るべき
    海外のレクサスを濾さずに日本に導入した辺りが最大の過ちですね、クラウンに寄せる信頼はトヨタへの信頼でTOYOTAではないし
    実質的にLSをレクサス専売にされたトヨタ店はクラウンが重い十字架を背負って登場したことは感じてるでしょ
    初代セルシオと初代マジェスタを共販してた二の舞ですね
    セルシオを超えてはならないマジェスタがあるようにレクサスに封印されたTOYOTAは自然の流れなのでしょう。