トヨタ 新型「アリオン」世界初公開! セダン市場縮小も2車種投入する狙いとは
トヨタがアリオン&レビンGTを同時投入する狙いとは
ベースとなる車種のホイールベースを延長させたモデルを展開するのは主にメルセデス・ベンツやBMW、アウディなどのドイツ車メーカーがよくおこなう手法です。
とくにメルセデス・ベンツは「Sクラス」のロングホイールベース(LWB)版は世界中で展開していますが、中国ではSクラスに加えて「Aクラス」や「Cクラス」、「Eクラス」のLWB版もラインナップに揃えています。
トヨタがこのような車格のセダンを今回投入した理由のひとつの、中国市場で年間40万台以上も販売される人気モデルの日産「シルフィ」(中国仕様)が属する「A +級セダン」クラスのモデルがなかったことが挙げられます。

中国市場ではセダンは大まかに「A〜D級」の4つの車格に分類されており、それぞれA級はトヨタのカローラやホンダ「シビック」、フォルクスワーゲン「ボーラ」など、B級がトヨタのカムリやホンダ「アコード」、マツダ「マツダ6」、フォルクスワーゲン「パサート」などが該当。
C級がトヨタ「クラウン」、メルセデス・ベンツ「Eクラス」、BMW「5シリーズ」など、そしてD級がレクサス「LS」、メルセデス・ベンツ「Sクラス」、BMW「7シリーズ」などが該当します。
そしてそれぞれのクラスの間に位置する車格が最近は台頭してきており、今回のアリオンとレビンGTはA級とB級の間に位置する「A+級」という車格に該当します。
A級セダンを少し広くしたが、B級セダンにまでは至らないというこのA+級セダンは、長らく前述のシルフィやフォルクスワーゲン「サギター」(ジェッタの中国向けモデル)が独占してきた市場です。
今回トヨタがA+級セダンに該当するアリオンとレビンGTを投入することで、中国市場でのラインナップで欠けていた「カローラとアヴァロンの間」「レビンとカムリの間」のセダンを望んでいた消費者の声に応えながら競合他社が独占するクラスに挑戦していく狙いがあるようです。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

























