夏用・冬用タイヤのいいとこ取り!? 知っておきたい「オールシーズンタイヤ」の○と×
オールシーズンタイヤには交換の目安がふたつある!?
中間的な性能を持つオールシーズンタイヤは、スノー路面や日差しで溶けかけているシャーベット状の路面であれば問題なく走行できます。
また高速道路などで雪が降りはじめたときに実施される「冬用タイヤ規制」などでもそのまま走行することが可能です。
ただし、降雪量が多く「全車両チェーン規制」が実施されている場合などは、スタッドレスタイヤ同様にチェーンの装着が必要になります。
また、オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤよりは耐摩耗性に優れていますが、走行していれば当然ながらタイヤは消耗します。
どれくらい消耗しているかの目安となるのが、ブロックとブロックの間の溝に設けられた「プラットホーム」と呼ばれる突起です。
この突起はスタッドレスタイヤにも設けられており、タイヤの溝が50%摩耗していることを知らせるサインになっています。
一般的に、スタッドレスタイヤは50%摩耗すると、氷雪路性能が大きく低下するといわれており、早めのタイヤ交換時期を知らせるサインとしてプラットホームが目安になります。
オールシーズンタイヤでもブロックが50%摩耗していることを示しているのですが、ここで大きく違うのは、オールシーズンタイヤのプラットホームが露出した場合、もう冬用タイヤとしては使えないということです。
夏用タイヤとして継続して走行することも可能ですが、著しくグリップ力が低下します。つまりプラットホームの露出はオールシーズンタイヤにおける第一の交換目安といえます。
一方、夏用タイヤの場合、消耗が激しいとブロックとブロックの間に出てくるのが「スリップサイン」です。
溝の残りが1.6mmを示しているのですが、この状態になると雨の日だけでなく晴れていてもグリップ力は相当落ちていて、車検も通りません。
面白いのは、オールシーズンタイヤにもスリップサインがあることです。ここまで使っていいというわけではありませんが、このスリップサインが第二の交換目安となります。
たいていのタイヤメーカーでは、スリップサインが出る1.6mmの倍となる約3.2mm程度の残り溝になったタイミングでの交換を推奨していますが、オールシーズンタイヤの場合は冬用も兼務しているため、もっと早いタイミングでの交換が好ましいと考えられます。
ちなみにタイヤの寿命は約3年程度といわれています。走行距離が短かったとしても何年もオールシーズンタイヤを履いていると、夏でも冬でもタイヤがグリップを失い事故に繋がる可能性があります。
タイヤの溝が減っていなくても、3年程度の周期で交換するのがお勧めです。
※ ※ ※
スタッドレスタイヤに履き替える手間を省きたい人にとっては、非常に便利なオールシーズンタイヤ。最近では新車装着されるケースも増えています。
自身のクルマの使い方などを考慮し、タイヤの選択肢のひとつとしてオールシーズンタイヤを検討してみる価値はありそうです。
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