「ながらスマホ」法改正から1年 車の違反は減少も 自転車のながらは増加か

運転中にスマートフォン(以下、スマホ)を使用したことによる交通事故が後を絶ちません。それを受け、2019年12月1日に改正道路交通法が施行されました。2020年12月1日で法改正から1年が経ちますが、この1年では該当する違反行為件数に変化があったのでしょうか。

取締り件数は大幅に減少、現場でも変化の声が

 携帯電話やスマートフォンなどを操作しながら運転する「ながら運転」の罰則が強化されから、およそ1年が経過しました。厳罰化によって、どれほどの効果が得られたのでしょうか。

2019年12月1日に厳罰化。その後、違反件数は減少したのでしょうか。
2019年12月1日に厳罰化。その後、違反件数は減少したのでしょうか。

 2019年12月1日に改正道路交通法が施行され、運転中にスマートフォン(以下、スマホ)を使用する行為などに対する罰則が強化されてから、およそ1年が経過しました。

 では、即免停もあり得る厳罰化によって、どれほどの効果が得られたのでしょうか。

 2019年の道路交通法の改正では、「携帯電話使用等」に対して、罰則の強化や違反点数の引き上げがおこなわれました。

 携帯電話の使用などにより、道路における交通の危険を生じさせた場合の「携帯電話使用等(交通の危険)」では、改正前の罰則は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金だったものが、改正後は1年以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。

 改正後は反則金の適用はなくなり、刑事罰の適用対象となるほか、違反点数が2点から6点に変更されることから、免許停止処分の対象となります。

 一方、スマホや携帯電話などでの通話や、スマホやカーナビの画面などを「注視」する行為をおこなった場合の「携帯電話使用等(保持)」では、罰則が改正前の5万円以下の罰金から、改正後は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金となっています。

 反則金は、普通車であれば改正前の6000円から改正後は1万8000円に引き上げられ、違反点数も改正前は1点だったものが、改正後は3点となっています。

 なお、同法では「当該自動車等が停止しているときを除き」とあるため、タイヤが完全に停止していればスマホの操作は可能とされています。

 これらの厳罰化は、ドライバーの意識に変化を与えているようです。

 2020年7月、警察庁は2020年上半期(1月から6月)の道路交通法違反取締り状況を発表しました。

 それによると、携帯電話使用などの違反は、前年比60.2%減となる15万3001件と大幅に減少しています。

 また、現場でもその効果は目に見えてあるようです。実際に取締まりをおこなう警察官は、以下のように話します。

「道交法改正後は、明らかに『ながら運転』の取締り件数は減っています。また、操作する際はしっかり駐停車してから、という人も増えている印象です。

 しかし、ドライバーが気をつけるようになったものの、歩行者や自転車の『ながら歩き、ながら運転』はいまだ多いため、スマホに関連するトラブルや接触事故の報告はあまり減っていません。

 最近では、コロナの影響で各配達サービスが盛んになっているので、とくに自転車のながら運転によるトラブルが増えています。

 ドライバーはもちろん、周囲にいる歩行者や自転車の方も、スマホを操作するときは安全な場所で止まって操作をしてください」

※ ※ ※

 ドライバーによる携帯電話やスマートフォンのながら運転は、データだけでなく実際の現場でも、厳罰化の効果が現れているようでした。

 一方で歩行者や自転車によるながら運転による事故やトラブルが目立ちはじめているようです。

 とくに新型コロナウイルスの影響により、自宅にいる時間が増えたことで、自転車を活用したデリバリーサービスが普及しました。

 これにより、配達場所までのルート検索などによるながらスマホが増加したことが、トラブルや接触事故件数に変化が表れていない要因といえます。

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1件のコメント

  1. 刑事罰という事は前科持ちになるという事ですね。

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