超高級車や超質素なモデルもあり!? 珍限定車5選
一般的に新車の場合は複数のグレードが通年で買うことができ、「カタログモデル」と呼ばれます。一方で、登場してからある程度の歳月が経ったり、モデルライフの末期になると、特別仕様車や限定モデルが登場するケースもあります。そうした限定車のなかには、ユニークなモデルも存在。そこで、非常に珍しい限定車を5車種ピックアップして紹介します。
とてもユニークな限定車を振り返る
新車で販売されるクルマでは、通年で買うことができる「カタログモデル」だけでなく、期間限定や台数限定で販売される特別仕様車や限定車が発売されるケースがあります。そうしたモデルは装備が充実していたり、カタログモデルにはない高性能車など、さまざまです。
特別仕様車の多くは販売のテコ入れが目的であったり、モデルライフの末期などに登場しますが、限定車はとくに決まっておらず、突然発売されることもあります。
そうした限定車のなかには、とてもユニークなモデルも存在。そこで、非常に珍しい限定車を5車種ピックアップして紹介します。
●メルセデス-AMG「G63 AMG 6×6」
1979年に、軍用車両だった「ゲレンデヴァーゲン」を民生向けに改良して発売されたメルセデス・ベンツ「Gクラス」は、いまや高級SUVの代表的存在です。
そして、2013年にはメルセデス-AMGが、トップグレードの「G63」をベースに、ホイールベースを伸ばして軍用車の技術を転用した6輪のピックアップトラック「G63 AMG 6×6」を発表。
エンジンは最高出力544馬力を誇る5.5リッターV型8気筒直噴ツインターボを搭載し、駆動方式は6WDを採用。
足まわりではポータルアクスルと呼ばれる「ウニモグ」にも採用される機構によって、最低地上高は460mmを誇り、渡河深度は1mにもなります。
また、5つのディファレンシャルロックや、サスペンションの最適化、タイヤ空気圧調整システムの搭載などにより、砂地、岩場、渡河といったあらゆる悪路を走破することが可能です。
ボディサイズは全長5875mm×全幅2110mm×全高2110mmと、ちょっとしたバスほどの大きさですが、乗車定員は4名で、富裕層が優雅にオフロード走行を楽しむことをコンセプトとしていました。
外観は巨大なカーボンファイバー製のオーバーフェンダーとフロントルーフスポイラーが装着され、見るものを圧倒。内装はさまざまなオーダーが可能で、豪華絢爛です。
生産台数は100台ほどで、日本でも2014年に限定数5台で正規輸入され、価格は8000万円(消費税8%込)でした。
●トヨタ「クラウン」
1955年に、トヨタは「トヨペットクラウン」を発売。当時、庶民にとってマイカーはまだまだ夢のような存在だった頃に、すでに高級車として誕生しました。
その後、クラウンはユーザーのニーズを的確に捉え、常に新しいトレンドを取り入れながら代を重ね、現在もトヨタを代表する高級パーソナルセダンです。
現行モデルは2018年に登場した15代目で、その先代にあたる14代目には、2013年にピンクのボディカラーの特別仕様車、「ReBORN PINK」を受注期間限定で発売。
このピンククラウンは14代目の発表会で先行展示され、まさに「生まれ変わる」という14代目のコンセプトを象徴していました。
ベース車は「アスリートG」グレードのハイブリッド車とガソリン車で、外装色は「モモタロウ」とネーミングされ、内装もホワイトとブラックの組み合わせに、テリー伊藤氏がカラーコーディネートを手掛けたピンクのステッチや、各部にピンクのさし色を採用。
比較的保守的なユーザーが多いクラウンながら、ReBORN PINKの受注台数は約650台と好調だったといえます。
また、ピンククラウンの効果として、それまでクラウンに興味を持っていなかった女性ユーザーからも注目を集めました。
●ダイハツ「シャレード926ターボ」
1977年に発売された、ダイハツの新世代コンパクトカー初代「シャレード」は、新開発の1リッター直列3気筒エンジンを搭載したFF車で、コンパクトなボディサイズながら広い室内空間を実現し、優れた経済性も相まってヒットを記録。
1983年に登場した2代目シャレードには、1リッターガソリンエンジンに加え、当時、世界最小の排気量だった1リッター直列3気筒ディーゼルエンジンをラインナップするなど、初代以上の話題性がありました。
また、1980年代はターボエンジンの普及により、エンジンの高性能化が一気に進み、シャレードも高性能モデルの「シャレード・デトマソターボ」をラインナップ。
そして、1984年には世界ラリー選手権(WRC)への参戦のため、グループBカテゴリーの認証用モデル「シャレード926ターボ」を200台限定で発売しました
926という車名の由来は排気量で、ベース車が993ccエンジンだったのに対し926ターボは文字どおり926ccでした。
これは国際自動車連盟が決めた規則で、レースにおいてターボエンジンと自然吸気エンジンを公平に扱うために、ターボ車の排気量を1.4倍(当時の規則)として扱う「ターボ係数」が課せられたためです。
つまり、993ccならば1.3リッターから1.6リッターのクラスで戦わなければなりませんが、926ccならば1.3リッター以下のクラスに参戦でき、有利に戦うことができました。
なお、926ターボはラリーベース用車両といっても、改造することを前提としていたため、カタログデータでは最高出力は76馬力と、80馬力を発揮するデトマソターボよりも劣っていたくらいです。
それでも、強化バルブスプリングや高速型のカムシャフト、フルトランジスタ点火を採用し、内装ではバケットシートにMOMO製ステアリングホイールを装備し、165/70HR13のタイヤ、ハロゲンヘッドライトなどが標準で装着されていました。
926ターボをベースにしたマシンは実際にWRCに参戦し、1985年のサファリラリーではクラス優勝を飾っています。
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