なぜ新型「ハマー」はEVとして復活!? 歴代ハマーはどんなクルマだったのか
2020年10月20日にGMから、GMCのピックアップトラックとして新型「ハマーEV」が発表された。名称にもあるように、電気自動車(フルEV)であることが大きな特徴だ。そこで今回は、歴代「ハマー」を振り返りつつ、なぜEVとして復活したのかを考察したい。
軍用車両の民間向けバージョンとして登場した初代ハマー
2020年10月20日にGMから、GMCのピックアップトラックとして新型「ハマーEV」が発表された。名称にもあるように、電気自動車(フルEV)であることが大きな特徴だ。そこで今回は、歴代「ハマー」を振り返りつつ、なぜEVとして復活したのかを考察したい。
新世代ハマーが10月20日、EVピックアップトラックとして復活した。しかし、最初の「ハマー」は当然ながらEVでもなかったし、さらにいえばGM製でもなかったのだ。
そのルーツとなるのは、AMゼネラル社が生産していた軍用の汎用4輪駆動車であった。
正式名称は高機動多用途装輪車両(High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle=HMMWV)で、「ハンヴィー」と呼ばれていた。
ハンヴィーは1980年代に採用が始まり、1991年から始まった湾岸戦争で活躍する姿がメディアを通じて世界中に知られることになる。そのハンヴィーの民間向けバージョンとして、1992年に発売されたのが初代ハマーであった。
軍用車であるハンヴィーとの技術的な関係はなくなり、その雰囲気を伝える高級SUVとしてのデビューとなった。
6リッターのV型8気筒エンジンを搭載し、全幅はあいも変わらず2m越えであったものの、軍用車ではなく乗用車をベースにしたことで日常の使い勝手は向上。高級SUVとして、アメリカだけでなく世界各国でも人気となる。日本では2004年より三井物産オートモーティブが取り扱った。
また、アメリカではピックアップトラック版「H2 SUT」も販売された。
2006年には第3世代の「ハマーH3」が登場する。デザインは「ハンヴィー」のイメージを色濃く残しつつも、「ハマーH2」よりも、小さくなったことが大きな特徴だ。このハマーH3も日本では三井物産オートモーティブが輸入販売した。
ベースはH2と同様にGMのSUV/ピックアップトラックを利用。全長は5mを切り、全幅も2mを切って、一般的なSUVといえる寸法に収まっている。エンジンは、当初、3.5リッターの直列5気筒エンジンを採用したが、後に5.3リッターV8エンジンも使われるようになる。
また、ピックアップトラック版「H3T」も2008年に登場。しかし、2010年に生産終了し、そこから「ハマーEV」が登場するまで、約10年の休眠状態となる。
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