農道の覇者「軽トラ」なぜ激減? 「実質2車種」のカウントダウン迫る理由とは
日本の道路環境に適した商用車として「軽トラック」は親しまれている存在ですが、近年は車種数が激減しているようです。
近い将来、軽トラの車種数は実質2車種に!?
小回りが利き、狭い農道や市街地にも強い「軽トラック」は、農業や物流などに携わる人々にとって欠かせない存在です。しかし、近年軽トラックは車種数を大きく減らしつつあります。
かつて、軽自動車を生産する国産自動車メーカーであれば、軽トラックの自社生産は普通におこなわれていることでした。
しかし、現在に至るまでの間に自社生産を止めるメーカーが徐々に増加し、多くのメーカーがOEM供給を受けて販売する方針に切り替えます。
結果、国内の大手自動車メーカーのうち、軽トラックの自社生産をおこなっているのはスズキ・ダイハツ・ホンダの3社のみになってしまいました。
ほかの5メーカーでも軽トラックの販売自体はおこなわれているものの、取り扱われるのはエンブレムをOEM元のロゴから自社のロゴに取り替えたOEM車と呼ばれるもので、純粋なオリジナル車種はスズキ「キャリイ」、ダイハツ「ハイゼットトラック」、ホンダ「アクティトラック」の3車種しかありません。
そして、ホンダは2021年6月にアクティトラックの生産終了を発表しています。これにより、軽トラック市場は実質的に2車種のみのラインナップとなる見込みです。
こうした状況になる背景のひとつには軽トラック市場の縮小が関係しており、全国軽自動車協会連合会によると軽トラックの年間販売台数は1979年から1983年にかけての約40万台から43万台がピークで、直近の2019年は約17万台まで落ち込んでいます。
そもそも軽自動車は薄利多売になりがちという傾向を抱えていることもあり、OEM車へ移行するのもやむを得ないといえるかもしれません。
ちなみに、軽トラックをベースに海外向けにボディサイズや排気量を拡大した小型トラックが発売されている事例もあり、スズキは海外仕様のキャリイをインドネシアをはじめとした世界の国々で販売しています。
ボディサイズは全長4195mm×全幅1675-1765mm×全高1870-1910mmで、1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載。排気量は日本のキャリイの2倍以上です。
過去には、最大で全長が4405mmという「メガキャリイ」も存在しました。
それではここでクイズです。
ダイハツが1996年に発売。往年の3輪トラックの名前を受け継いた、ユニークな1人乗り軽トラックの名前は、次のうちどれでしょうか。
【1】ミゼットII
【2】ハイゼットII
【3】コンパーノII
【4】デルタトラックII
※ ※ ※
正解は、【1】の「ミゼットII」です。
ミゼットIIは3輪ではないものの、軽自動車規格のサイズよりも小さい設計を採用。1人乗りとされ、装備も必要最低限とされていました。
フロントの中央にスペアタイヤが配され、その両脇にボディから飛び出た丸いヘッドライトが装着されるという、愛嬌ある顔つきも特徴的でした。
のちに2人乗り仕様やバン仕様も追加されたものの、2001年に生産終了となりました。
※クイズの出典元:くるまマイスター検定
<
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。