なぜギラツキ顔はミニバンやワゴンばかり? ド迫力顔のデザインがSUVに少ないワケ
メッキ加飾の多用や大型グリルを採用することで存在感のあるフロントフェイスのデザインを「ギラツキ顔」と呼ぶことがあります。しかし、そのほとんどがミニバンや軽ワゴンに集中しており、セダンやSUVではあまり見かけません。なぜワゴンばかりがギラツキ顔を採用するのでしょうか。
なぜギラツキ顔はミニバンやワゴンばかり?
クルマのフェイスデザインがメッキ加飾や迫力ある造形などのことを俗にギラツキ顔と呼ぶことがあります。
オラついているようや顔つきから呼ばれるようですが、そのほとんどがミニバンやコンパクトワゴン、軽スーパーハイトワゴンなど、背が高いワゴンタイプです。なぜ、ギラツキ顔は、全高が高いクルマばかりなのでしょうか。
ギラツキ顔で思い浮かべるモデルとして、トヨタでは、フルサイズミニバン「アルファード/ヴェルファイア」、ミドルサイズミニバン「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」、コンパクトワゴン「ルーミー」。
ホンダでは、フルサイズミニバン「オデッセイ」、ミドルサイズミニバン「ステップワゴンスパーダ」、軽自動車「N-BOXカスタム」。
日産では、フルサイズミニバン「エルグランド」、ミドルサイズミニバン「セレナハイウェイスター」、軽自動車「ルークスハイウェイスター」。
三菱では、ミドルサイズミニバン「デリカD:5」、軽自動車「ekクロス」「ekクロススペース」。
そのほか、軽自動車ではスズキ「スペースカスタム」やダイハツ「タントカスタム」なども挙げられます。
このように、ギラツキ顔がワゴンタイプに多い理由とは、なんなのでしょうか。
国産メーカー系の元デザイン担当者は次のように説明します。
「メッキ加飾などを多用するギラツキ顔風なデザインがワゴンタイプに多い理由として重要なのは『デザイン上の制限のなかでどれだけ個性を出せるか』です。
これは、ワゴンタイプが居住性を第一に考えて開発されているからで、少しでも室内を広くするために背を高く箱型にすることとフロントリアの部分を削ってたことでその居住性を実現します。
そのため、セダンやSUVと違い曲線をデザインに取り入れることが難しく、面の部分でいかに個性を出せるかが勝負となります。
そうすると、ライバルと差をつけるために大口グリルやメッキ加飾といったインパクトのあるフェイスデザインが誕生するのです」
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個性を発揮することや存在感を示す手法として、フロントフェイスのデザインは重要です。
ギラツキ顔とは、若干異なるものの、トヨタ車ではワゴンタイプ以外のセダンでも迫力のあるデザインを採用します。
例えば、2012年末に当時した14代目クラウンでは、車名の由来となる王冠をモチーフとした迫力ある大型グリルを用いたフロントフェイス採用し、大きな話題となりました。
当時のトヨタは、「一目で新型クラウンと分かる個性と躍動感に満ちたスタイルを表した」と説明していました。
また、北米市場向けのフラッグシップセダンとなる「アバロン」ではフロントフェイスいっぱいに大型グリルを配置したデザインを採用。
トヨタの高級ブランドのレクサスでは、ラインナップモデルのほとんどがブランドのアイデンティティとなる「スピンドルグリル」が存在感を示すものになっているなど、迫力のあるフェイスデザインにもいくつかの種類があるようです。
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