マツダ「e SKYACTIV-X」は別次元の車に変貌!? 「進化するエンジン」マツダの狙いとは
マツダの次世代エンジン「SKYACTIV-X」がさらに進化し、新たに「e SKYACTIV-X」になります。どのような違いがあるのか、「マツダ3」の従来モデルと新型モデルを乗り比べて体感しました。
驚きの進化! SKYACTIV-Xはどう変わった?
マツダの次世代エンジン「SKYACTIV-X」が進化し、エンジン名称は新たに「e SKYACTIV-X」となります。
まずは「マツダ3」に搭載され、日本国内では2021年1月初頭から発売される予定ですが、それに伴い、マツダ美祢自動車試験場(山口県美祢市)で、従来のSKYACTIV-Xとe SKYACTIV-Xそれぞれを搭載したマツダ3の比較試乗をおこないました。
e SKYACTIV-Xの技術は、どのようなところが変更されたのでしょうか。
試乗前のプレゼンテーションで、マツダ3主査の谷本智弘氏は「瞬発力と自在感を味わってほしい」と、試乗会の狙いについて説明しました。
瞬発力とは、「瞬時に応える緻密な燃焼を足先で感じながら、狙ったとおりに行けること」だといいます。
自在感については「意思に応える緻密な燃焼で、狙ったラインを足先で操りながら、狙った通りに向かうこと」と表現しています。
まさに、エンジンの燃焼をとことん突き詰めることに情熱を傾けている、マツダらしい発想だと思います。
とはいえ、それらは実際にどう感じることができるのしょうか。
走行する場所は、2006年までMINEサーキットとして利用されていたロードコースおよび外周ワインディング路です。料金所でのストップ&ゴーや高速道路での合流、市街地での低速なクランクコーナーなど、日常生活での利用シーンを想定したレイアウトになっています。
まず、現行モデルのマツダ3 ファストバック(2WD、6速AT)に試乗しました。
じんわりとしたアクセルワークでは、静かで軽やかに加速。品質感の高いインテリアのなかで、ゆったりとした気分になります。
一方で、S字スラロームや、ワインディングでは、2000rpmから3000rpmの低回転域から中回転域で、アクセル操作に対するエンジンの反応にまったりとした感じが残ります。
少しペースアップして時速80km/hペースでワインディング路を走ろうとすると、3000rpmから4000rpmをキープする必要がありました。
次に、e SKYACTIV-X搭載の試作車に乗り換えました。試作車といっても約2か月先に市場導入されるため、ほぼ量産という印象を受けます。
ゆっくりと走り出すと「なるほど、違うな」という気配を感じます。さらに走り進めると、「トルクバンド全体が一気に2000rpmから4000rpmに移行したのか?」と思うほど、現行車との差を感じました。
また、アクセル操作とクルマの動き全体がシンクロ(同調)する感じは、明らかに現行モデルと違います。
ATの制御が明らかに違い、直線路から急減速してヘアピンに入る際のシフトダウンのタイミングがとても気持ち良く、コーナーを走る楽しさやワクワク感が増してきました。
80km/hのペースでワインディングを走行する際、e SKYACTIV-X搭載は現行モデルより約1000rpm低い回転数(3000rpm程度)で、クルマ全体の動きをコントロールすることができます。
一般的なノーマルモードとスポーツモードの切り替えスイッチによるパワートレイン制御の違い、というイメージではありません。
クルマ全体としてのトータルコーディネーションとして、現行モデルと試作車では“まったく別のクルマ”といえるほど、e SKYACTIV-Xには違いを感じるのです。
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