ユニークだけどダメだった!? アイデアは良かったけど定着しなかった車3選
志は高かったけれど消滅してしまったホンダ車とは
●ホンダ「1300」
本田技研工業の創業者、故・本田宗一郎氏は、空気でエンジンを冷やす「空冷」至上主義だったことは有名です。
空冷エンジンはシンプルな構造でラジエーターやウォーターポンプが必要ないため、信頼性が高く、軽量で低コストだったのは間違いありません。
そして、1969年4月にホンダ初となる4ドアセダン「1300」を発表します。1300は非常にユニークな空冷エンジンを搭載したクルマで、1.3リッター直4空冷エンジンをフロントに横置きに配置し、前輪を駆動するFF車です。
ラインナップはエンジンの仕様で大きくふたつに分けられ、シングルキャブで最高出力100馬力のスタンダード仕様「77シリーズ」と、4連キャブで最高出力115馬力と高性能な「99シリーズ」で、どちらも当時の水準ではかなり高性能なエンジンといえます。
ホンダは1300シリーズを「2000ccクラスのパワー、1500ccクラスの居住性、1000ccクラスの経済性を兼備した車」と表現していたほどです。
しかし、空冷エンジンの利点である軽量シンプルな構造とはかけ離れた「二重空冷」という複雑な構造の重いエンジンは、操縦性にも悪影響をもたらしてしまい、ヒットしたとはいえませんでした。
そこで1972年に、車名を「145」に改め、水冷エンジンに換装されたことで、ホンダの4輪用空冷エンジンは終焉を迎えます。
後に1300は失敗作と揶揄されますが、このときに蓄積された生産技術についてのノウハウと、システム化された開発手法は、軽自動車の「ライフ」や大ヒットした「シビック」に生かされたといいます。
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近年は各メーカーとも、ユニークなアイデアが登場することが少なくなった印象があります。
もちろん、技術的な進歩は日々続いていますが、失敗することが許されないため、斬新なアイデアを搭載するのが難しくなったのでしょうか。
これまでも、誕生しては消えていったユニークな技術が数多く存在しますが、やはり後世まで受け継がれるものは少なく、それほど自動車開発は難しいということです。
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