「ホンダe」やレクサス「UX300e」…2020年に新型EVが続々登場する理由
日本でEVは今後も受け入れられる!?
そんな危機を防ぐ切り札となるのがEVだ。
CAFE規制でEVは、CO2排出量ゼロにカウントされる。つまり計算上、1台のEVを販売すればもう1台のエンジン車の燃費規制は95g/km(約24.4・/L)の半分(190g・約12.2km/L)でも良いことになる。
そこで、欧州メーカーは一斉にEVの開発に乗り出した。
その結果、2019年から2020年にかけてメルセデス・ベンツ、アウディ、フォルクスワーゲン、PSA、オペル、ポルシェなど、主だったメーカーは欧州市場にEVを投入。さらに欧州でビジネスをする日系ブランドもEVに取り組んだ。
それがレクサスのUX300eであり、ホンダe、そしてマツダのMX-30だ。MX-30は、日本市場にはガソリンのマイルドハイブリッド車で登場したが、欧州ではEVが先行して発売されている。
厳しい規制の結果、数多くのEVが欧州で誕生した。数多くのEVが突然、日本に来襲したのは、そうした欧州の規制の余波といえるだろう。昨2019年から日本で新たに発売されたEVは、すべてが欧州向けに誕生したものばかりなのだ。
ちなみに日本は、世界でもEVの普及がトップクラスに進んでいる国といっていいだろう。
国を挙げてEV普及にまい進する中国や、電気代がほぼ無料の北欧の一部の国にはかなわないかもしれない。しかし、欧州のほとんど国と比べれば、現時点では日本のほうがEVの普及は進んでいるのではないだろうか。
日産の誇るEVである「リーフ」や三菱自動車のEVである「i-MiEV」は、すでに発売から10年を経た。街でEVを見かけるのは珍しいことではない。全国のEV用の充電スポットは約1万8000か所もあり、その数はガソリンスタンド数の約6割に相当する。
高速道路のほとんどのSAには、EV用の充電器が備えられている。普及率が高いわけではないが、10年前から導入されているという歴史は無下にはできないものだろう。
つまり、せっかく開発した新型EVなのだから、インフラの整っている日本市場でも売れるだろうと欧州メーカーが考えたのだろう。それが2019年からの日本へのEVラッシュといえる。
ただし、店頭に並べれば黙って売れるというほど、日本の市場は甘くはない。
欧州のように、環境問題に対する注目や期待が高まっているわけではない。そもそも日産や三菱自動車という地元メーカーでさえ、EVの販売はガソリンエンジン車やハイブリッド車と比べて苦戦しているのだ。
だからこそ、マツダは欧州においてEVとして販売するMX-30を、日本ではまずはガソリンエンジン車として導入した。欧州メーカーによるEVラッシュは、日本ではどのように受け止められるのか。その動向に注目したい。
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