待望のターボ復活! スバル「フォレスター」が新エンジンを追加する狙いは?
新型「レヴォーグ」と同じ1.8リッター直噴ターボエンジン搭載
これらに加えて、フォレスターの新グレードとして「スポーツ」が追加されたことが大きなニュースでしょう。
このスポーツグレードには、2020年10月15日に発表された新型「レヴォーグ」に搭載される次世代ボクサー 1.8リッター直噴ターボエンジン「CB18」を水平展開。フォレスターのターボモデルとしては2年4か月ぶりの復活となります。
「CB18」はスバルの次世代ダウンサイジングターボシリーズのひとつで、2.5リッターエンジン置き換わるパワーユニットとして新たに開発されています。
スペックは177馬力/300Nmと新型レヴォーグと同じですが、スペックに表れない部分の味付けがどうなのか気になるところです。今回、フォレスターへの搭載に合わせて、静粛性に寄与するアルミマウントも採用されています。
CB18は応答性の良さや排気量を感じさせない実用域のトルクだけでなく高回転までスッキリ回るフィーリングを兼ね備え、スペックだけでは語れない洗練されたパワーユニットですが、フォレスターとのマッチングも良さそうです。
歴代フォレスターのターボエンジンを振り返ると、ピークパワーよりも、扱いやすさを重視したセットアップが特徴でした。
スポーツのフットワーク系には、スポーツ専用セットアップとなるサスペンションが採用されていますが、気になるのはタイヤです。
同じサイズ(225/55R18)を履くe-BOXERの「アドバンス」グレードはサマータイヤですが、今回登場したスポーツはオールシーズンタイヤをセレクトしています。この辺りは、オンロード/オフロードを含めたスポーツという解釈なのかもしれません。
ターボモデルの車両重量は、e-BOXERに対して50kgから70kgの軽量化が図られているので、ブレーキサイズは17インチから16インチに変更されています。この辺りもバネ下重量の軽減で乗り味に寄与しているでしょう。
スポーツは、見た目においても専用の意匠が与えられています。
外観は、ピアノブラックのフロントグリルにグレーメタリックの加飾(フォグランプカバー、ドアミラー、アルミホイール、ルーフスポイラー、アンテナなど)、ボディ下部のシルバーアクセントというヒカリモノを抑えたコーディネイトです。
スバルのターボ車の証ともいえるボンネットエアスクープ(エアインテーク)は未採用ですが、ダクトやグリル形状の工夫で同等の冷却性能が確保されています。
また、現行フォレスターで唯一の左右出しのデュアルマフラー(ほかは1本出し)も、スポーツのアイコンのひとつです。
内装はブラックのモノトーンで、シートはウルトラスエード×本革。加飾はウルトラスエード表皮巻きで大人のスポーティを演出しています。
細かい部分では専用マルチインフォメーションディスプレイ付メーター高触感革採用のステアリング、アルミパッド付スポーツペダルなどもプラスされました。
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今回の改良で、フォレスターの商品性がアップしましたが、これは年々強化されていく規制をクリアすべく、「電動化(e-BOXER)」と「次世代ダウンサイジングターボ」の二本立てでスバルが戦うことへの表明ともいえるのではないでしょうか。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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