FRポルシェなら100万円以下から! いまこそ見直したい「928」と「944」の魅力
1970年代に、ポルシェが脱「911」を目指して本気で開発していたFRポルシェ。クルマとしての出来は最高ながら、当時はそのルックスなどから販売は不振に終わったFRポルシェは、ユーズドで選んで気軽に楽しむにはもってこいである。
時代を先取りしすぎていた「928」
1960年代の中盤に誕生したポルシェ「911」の後継車を生み出すこと。それは21世紀の現代に至っても911が健在であることを考えると、馬鹿げた話と感じられるのかもしれないが、実際に1970年代も半ばを迎える頃になると、ポルシェの内部ではそれが真剣に議論されるようになっていた。
とりわけ当時の社長であったエルンスト・フールマンは、911のさらなる上級志向を狙っており、結果V型8気筒エンジンをフロントに搭載する「928」が1977年に誕生する。
●1978 ポルシェ「928」
928には、さまざまな新機構が採用されていた。V型8気筒エンジンはフロントミッドシップされ、911の空冷式から水冷式に。排気量は4474ccにまで拡大されている。
これに5速AT、もしくはメルセデス・ベンツから供給を受けた3速ATが組み合わされるが、これはリアに配置されトランスアクスル方式を構成する。
今回ボナムスの「MPHセプテンバー・オークション」に出品された928は、928シリーズのなかでも、もっとも初期に生産されたモデルの1台である。
初期モデルの特徴は、燃料供給にボッシュ製のKジェトロニックを使用していることで、1981年モデルではすでにLジェトロニックに変更されてしまう。
参考までに出品車の最高出力は230ps。最高速はミッションの違いにより、5速MTモデルでは240km/h、3速ATモデルは230km/hと、発売当時は発表されていた。
出品車のコンディションは、オンライン上で見る限りは、生産から40年を超えたモデルであるとは思えないほどのクオリティだった。出品者自身の評価はやや控えめで、トータルのスコアは100点満点中59点と申告されているが、ボナムスの評価はそれ以上に高かったほどだ。
エスティメートは1万8000?2万4000ポンドであったが、実際の落札価格は1万6875ポンド(邦貨換算約230万円)であった。
これからますます台数が減ってくるV8FRのスポーツモデルを購入するには、決して割高な数字とはいえないだろう。日本にはもちろん、911と同様にV8ポルシェを扱うスペシャリストはたくさんあるのだから。
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