日産新型「フェアレディZ」 主戦場アメリカ市場での“Zカー”のライバルとは?
2020年9月に発表された日産「フェアレディZプロトタイプ」。ロングノーズや長方形グリルなど、初代S30型Zのイメージを現代的に昇華させたそのデザインは、日本だけでなく世界中のファンから注目を集めている。フェアレディZのおもな主戦場は北米市場。新型フェアレディZの北米でのライバルはどんなモデルになるのだろうか。
Zの永遠のライバルは 歴史あるアメ車3モデル
日産は、2020年9月16日に次世代モデルとなる「フェアレディZプロトタイプ」を発表した。
公開された新世代モデルのデザインは、初代S30型フェアレディZを彷彿とさせるシルエットを持ち、ボディのあちらこちらに歴代モデルを思わせるアイコンが使われている。ボディカラーのさわやかな黄色からは、バブルのころ、1989年に登場した4代目Z32型を思い出した人も多いだろう。
ただし、公開されたのはデザインが中心で、メカニズム面はわずかなものであった。車両寸法は全長4382mm×全幅1850mm×全高1310・、搭載するパワートレインはV6ツインターボに6速マニュアルトランスミッション、タイヤサイズは前輪が225/40R19、後輪が285/35R19、といった程度だ。エンジンの出力や価格帯などの詳細は、まだ伏せられたままであった。
それでも、暗いニュースの多かった日産にとっては久しぶりの明るいニュースといえよう。とくに北米市場に向けては、大きなインパクトがあったはずだ。なんといっても北米はフェアレディZのメイン市場となるからだ。
フェアレディZは、過去50年以上にわたって世界中で発売されているが、全販売180万台のうち、130万台以上が北米で売れているのだ。そういう意味で、次のモデルも販売の中心は北米となる。
そして現在、業績が悪化している日産としては、北米での販売回復はもっとも重要なミッションであろう。その旗頭として期待されるのが、次世代フェアレディZといえる。そこで、次世代のフェアレディZのライバルとなるクルマはなにかを考察してみたい。
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現在、アメリカで発売されている現行型のフェアレディZ(米名は370Z)は、最高出力332馬力を発揮する3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載し、価格は3万ドルから3万4000ドル(日本円で約330万円から374万円)だ。次世代モデルが、いったいどれほどの価格帯になるのかは未知数だが、3万ドル台のままと考えれば、ライバルは絞られる。
それがフォードの「マスタング」、シボレーの「カマロ」、ダッジの「チャレンジャー」の3台だ。いわゆるスペシャリティカーの2ドアクーペとなる。
純粋な2シーターモデルとなった現在のフェアレディZと異なり、ライバルの3台は2+2を基本とする。また、「マスタング」と「カマロ」には、クーペだけでなく、カブリオレバージョンも用意されているのが特徴だ。
●FORD MUSTANG
マスタングは、1964年に誕生した元祖スペシャリティカーだ。
現在のモデルは2015年に誕生した第7世代になる。アメリカでは、最高出力310馬力の2.3リッター直列4気筒ターボ搭載モデルが、エントリーとして2万6670ドル(約290万円)から発売されている。
他にも460馬力の5リッターV型8気筒エンジンや、527馬力の5.2リッターV型8気筒エンジンなどバリエーションを豊かに揃えている。最強モデルの「マスタング シェルビーGT350R」は、7万3435ドル(約800万円)となる。
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