「眩しすぎる!」困惑の声も! なぜ急速にLED化進む? 大半の車が採用する理由
LEDの本当のメリットはデザイン性にある?
コスト面を除けば、従来のヘッドライトに使用されてきたハロゲンランプやHID(キセノンヘッドライト)に比べていいことづくめのLEDですが、さらなるメリットもあるようです。
国産メーカーの担当者は次のように話します。
「(LEDの採用により)ユニットサイズが小さくでき、従来できなかったデザインができるようになりました。
しかし、場合によってはランプの後ろ側を、放熱対応のために空間を大きくする必要があります。
したがってLEDによって『光源が小さいから自由度が増した』とは必ずしもいえるわけではありませんが、従来に比べて違うデザインができるようになったのは事実です」
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LEDの採用によるクルマのデザイントレンドの変化として、「デイタイムランニングライト」の存在が挙げられます。
元々は日照時間の短い欧州を中心に発展してきたもので、ヘッドライトよりも控えめなライトを昼間でも常時点灯させることで、被視認性を高め、事故防止に貢献することが目的です。
商用車を中心に普及してきたデイタイムランニングライトですが、アウディなどの欧米メーカーがデザインに採り入れたことでトレンド化しました。
日本の道路運送車両法では、デイタイムランニングライトは「その他灯火類」として300カンデラまでの照度しか認められていませんでしたが、2016年10月の法改正で1440カンデラまで照度基準が引き上げられました。
その結果、より明るく目立つものが採用可能となったため、デザイン上のアクセントとして重要な意味を持つようになったのです。
また、近年のデザイントレンドのひとつである横一文字のテールランプも、LEDの普及と無縁ではありません。
クルマのデザインの基本は「ワイド&ロー」といわれており、多くのコンセプトカーが市販車に比べて全幅が広く、全高が低くなるのはそのためです。
しかし、市販モデルの場合はさまざまな制約があるため、デザイン重視で「ワイド&ロー」を実現することは難しいといえます。
そこで、横一文字のテールランプを採用することで、ワイドさを強調し、なおかつ視点の上昇を防ぐ効果もあるため、重心が低く見せているのです。
横一文字のテールランプは、ポルシェやアウディ、レクサスなどが積極的に採用していますが、これは光源が小さいため設計上の自由度が高いLEDの採用によって、実現できるようになりました。このように、LEDはクルマのデザインのトレンドにも影響を与えているようです。
LEDに限らず、技術の進化はデザインにも大きく影響を与えています。その一方で、新しい技術により自由度の高いデザインが可能になったとしても、それを活かすかどうかがデザイナーの技量次第です。
数々の名車をデザインしたあるイタリア人デザイナーは次のように警鐘を鳴らします。
「LEDの登場によって、理論上はどんな形のライトも実現できるようになります。
けれども、多くのクルマのライトのデザインは従来のものの延長線でしかありません。これはデザイナーの怠慢といってもいいでしょう」
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実際にはコストや保安基準などの問題があるとはいえ、ユーザーとしては技術の進歩による革新的なデザインの誕生を楽しみに待ちたいものです。
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