コロナ禍で18%減! 2020年8月の欧州自動車市場の傾向とは
自動車産業の世界的な調査会社JATO Japan Limitedは、2020年8月の欧州の自動車市場についてのレポートを公開しました。
2016年8月以来もっとも少ない販売台数
JATO Japan Limitedが2020年8月の欧州の自動車市場についてのレポートを公開し、販売台数が前年同月比18%減であったと発表しました。
この結果は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、ロックダウン政策が欧州全体で布かれた5月以来のポジティブな傾向を止めてしまう結果です。
7月に見られた対前年比4%減と比較しても、8月の18%減という落ち込みは大きく、2020年6月の前年比24%減に近い数値です。
2020年8月の販売台数は合計88万1897台で、ここ数年の同月比で見ても2016年以来の、もっとも少ない台数となります。
また、年初来累計台数も同様に控えめな結果となり、昨年同期比33%減の724万7341台と、ここ10年でもっとも小さな規模となりました。
JATOのグローバルアナリストのFelipe Munoz氏は「我々はこれまでも、回復について語るには時期尚早だといってきたが、当月の結果は、まだ業界には処理しなければならない問題が残っているのだと示している。幸運なことに、当月の落ち込みは、ビジネスやフリート向けの減少によるもので、個人登録の方は4%しか落ちなかった。このことは、状況は見かけほど悲惨なものではないという、良い指標だ」と述べています。
さらに2020年8月は、電動車が業界にとっての救いとなっており、JATOのデータによると欧州全体で前年同月比121%増となる18万8700台の電動車が販売されており、これまでで最高となる21.4%のマーケットシェアとなりました。
これは、電動車が無ければ、さらなる販売減となったことが予想できる結果です。
Munoz氏は次のように続けます。「世界的な新型コロナウイルス感染拡大によって引き起こされた難しい環境だが、好意的な変化も起きている。電動車は多少高額であるにも関わらず、消費者の関心はいままで以上に、ガソリン車やディーゼル車から、より排出量の少ない車種へ移っているのだ」
2020年8月の電動車販売の49%を占めたのはハイブリッド車(HEV)で、フォード、スズキ、フィアットにマイルドハイブリッド技術が搭載された影響も大きく、前年同月比で86%増となりました。ピュアEV(BEV)もこの成功に続き、111%増となる4万8800台を売り上げています。
その成長を生み出したのは、ルノー(112%増)、ヒュンダイ(107%増)、フォルクスワーゲン(97%増)、キア(397%増)で、テスラはわずか11%増でした。
また、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は283%増の4万4700台を売り上げましたが、この大きな増加は55%を占めたプレミアムブランドと、新型となったフォード「クーガ(Kuga)」によるものです。
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