変わりたくても変われない!? 過去の束縛から逃げられない車5選
最新モデルもやっぱり変わらなかった!?
●スズキ「ジムニー」
軽自動車初の本格的なクロスカントリー4WD車として、1970年にスズキ初代「ジムニー」が誕生しました。
強固なラダーフレームにボディを架装する構造で、サスペンションはストロークが長く頑丈なリジッドアクスルを前後に取り付け、シンプルな構造のパートタイム4WDを採用するという、クロカン車の教科書的なモデルです。
エンジンは当初360ccの2サイクル空冷2気筒を搭載し、出力はわずか25馬力でしたが2サイクルエンジンならではの低回転から絞り出す太いトルクと、車重600kgと軽量な車体が相まって、高い悪路走破性を実現。
その後、ジムニーは代を重ね、リーフスプリングからコイルスプリングに変わり、エンジンも4サイクルになりますが、基本的な構造は変わっていません。
2018年には20年ぶりのフルモデルチェンジをおこない、現行モデルの4代目が登場しました。原点回帰したようなクラシカルなフォルムとなり、電子デバイスも追加されましたが、ラダーフレームにリジッドアクスル、手動で切り替えるパートタイム4WDを継承しています。
現在、ジムニーはライバル不在の状況で、次のモデルはかなり先になると思われますが、コンセプトは変わらないでしょう。
●日産「フェアレディZ」
1969年、日産はアメリカ市場をターゲットとした新世代の2シーターFRスポーツカー、初代「フェアレディZ」を発売しました。
それまで英国調のオープカーだったダットサン「フェアレディ」に対し、クローズドボディの流麗な2ドアハッチバッククーペに生まれ変わり、エンジンもパワフルな直列6気筒を全車に搭載。
アメリカではダットサン「240Z」の名で発売されると安価で高性能なスポーツカーとして、大ヒットを記録しました。
そして、フェアレディZは代を重ね、ボディサイズの拡大やV型6気筒エンジンやターボエンジンを搭載しますが、外観のイメージは初代から継承され、6気筒エンジンを搭載するFRスポーツカーというキャラクターも変わっていません。
2020年9月に、7代目となる新型フェアレディZ プロトタイプが発表されると、ボディ形状や部分的なデザインは歴代フェアレディZのエッセンスが織り込まれ、エンジンはV型6気筒ツインターボを搭載するなど、これまでのコンセプトを受け継いでいます。
フェアレディZは世界中にファンがいることから、911と同様に、もはや変わることは許されないモデルです。
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今回、紹介した5車種は、良い意味で過去に束縛されているモデルばかりで、実際にどのモデルも人気があり、変わらないことを是とするオーナーに愛されています。
一方で、時代の変化から初期のコンセプトから大きく変わってしまったモデルも存在します。
変わる、変わらないはどちらも正しいことなのですが、コンセプトがブレないモデルというのは、それだけでも魅力的に見えてしまうのではないでしょうか。
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