変わりたくても変われない!? 過去の束縛から逃げられない車5選
新型車を開発する際に欠かせないのがコンセプトです。明確なコンセプトが決まっていなければ、技術者やデザイナーは同じゴールに向かって進むことができません。一方で、コンセプトがあまりにも強すぎて、モデルチェンジしても容易に変化できないクルマも存在。そんな、過去の束縛から逃げられないモデルを5車種ピックアップして紹介します。
コンセプトが強すぎるクルマとは!?
どのクルマも開発の初期に明確なコンセプトを設定します。コンセプトが決まれば、技術者やデザイナーは同じゴールに向かって突き進むことができるからです。
一方で、歴史のあるクルマでは、過去のコンセプトがあまりにも強すぎて、変わろうと思っても変わることができないモデルも存在。
そんな過去の束縛から逃げられないモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●日産「GT-R」
日産は1969年に、市販車をベースに戦うツーリングカーレースで勝つことを目的とした特別なモデル、初代「スカイラインGT-R」を発売しました。
ベースは3代目スカイラインの4ドアセダンで、160馬力を発揮する2リッター直列6気筒4バルブDOHCエンジンを搭載。レースでは49連勝を飾るなど、いまでは伝説的なクルマです。
1973年には2代目が登場しますが排出ガス規制などを理由に短命に終わり、それから16年後の1989年にスカイラインGT-Rが復活を果たします。
新時代のスカイラインGT-Rも、高性能なエンジンと先進の4WDシステムを搭載することで、レースでは無敵の快進撃を続けました。
しかし、2002年に生産を終了。スカイラインGT-Rの系譜は、再び途絶えてしまいます。
そして、2007年に車名を「GT-R」としたスーパースポーツモデルを発売。480馬力という国産車では類まれな高性能エンジンに、トランスアクスルを採用した4WDシステムを搭載し、スーパーカーを凌駕するほどの走行性能を実現しました。
新生GT-Rは高性能エンジンに優れた4WDシステムと、スカイラインGT-Rの構成を受け継ぎましたが、性能的には比べものにならないほど進化しています。
すでに発売から13年経とうとしていますが、次世代モデルが出るならば、GT-Rというブランドを受け継ぐ以上は、世界が驚くような性能向上が必須です。
●ポルシェ「911」
世界でもっとも有名なスポーツカーといえば、ポルシェ「911」でしょう。初代は1964年に誕生し、盛り上がったフロントフェンダーの前端に丸形ヘッドライトを配置したフロントフェイス、フロントウインドウからテールエンドにかけて緩やかなカーブを描くフォルム、空冷水平対向6気筒エンジンをリアに搭載してリアタイヤを駆動するRRの採用など、明確なコンセプトのもと設計されました。
その後、代を重ねてもデザインやメカニズムは初代から普遍でしたが、1997年に登場した5代目では、水冷エンジンを搭載するという、大きな転換期を迎えます。
しかし、全体のフォルムや水平対向6気筒エンジン、RR駆動を基本とすることなどは変わっていません。
現行モデルは2018年に発売された8代目にあたり、ボディサイズの拡大やターボエンジンを標準化していますが、やはりコンセプトは初代から継承されています。
内装でも伝統的な5連メーターを液晶モニターで再現するなど、旧来のオーナーには見慣れた景色を演出。
もはや911はすべてがアイコン化しており、変わることが許されない代表的なモデルではないでしょうか。
●トヨタ「プリウス」
1997年にトヨタは、量産世界初となるハイブリッド車の初代「プリウス」を発売しました。エンジンとモーターを組み合わせたパワートレインによって、当時、ガソリン車では世界一となる驚異的な28km/L(10・15モード)という低燃費を実現。
プリウスの登場によって各メーカーからも続々とハイブリッド車が登場し、爆発的に普及しました。
その後、プリウスを超える低燃費車が登場しますがすぐに巻き返し、常に低燃費ナンバー1に君臨。
現行モデルは2015年に発売された4代目で、発売当初はJC08モードで40.8km/L(Eグレード)と、他車を圧倒する低燃費を実現し、2018年のマイナーチェンジで先進安全装備の標準装備化の影響で39km/Lとなりましたが、それでも引き続き燃費トップをキープしています。
これまで改良が重ねられてきましたが、初代からシステム構成は大きく変わっておらず、動力性能を向上させながらこの燃費を達成しているのは、驚き以外ありません。
いまのところ次世代モデルの噂はありませんが、プリウスは燃費性能でトップにいることが運命付けられているため、今後もすごい燃費を実現することでしょう。
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