従来モデルを全否定してる!? テコ入れで変わりすぎな車5選
新型車が登場してから次のフルモデルチェンジまで、およそ6年から8年が経過します。その間にライバル車の登場や販売台数の低下が起こると、マイナーチェンジや改良がおこなわれ、商品の魅力をアップさせるのが一般的です。そこで、マイナーチェンジで変わりすぎなモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
マイナーチェンジで別のクルマに変貌!?
昭和の時代では、フルモデルチェンジのサイクルは4年が一般的でした。しかし、近年は6年から8年が普通で、長いクルマでは10年以上フルモデルチェンジがおこなわれないケースも珍しくありません。
しかし、フルモデルチェンジのサイクルが長くなると、商品としての魅力の低下は避けられません。そのため、各メーカーとも定期的にマイナーチェンジや改良をおこない、魅力の回復を図ります。
マイナーチェンジといっても変更する範囲は各車さまざまで、エンジンの変更や装備の追加、そしてデザインの変更が挙げられますが、なかには大胆にデザインを一新するクルマも存在。
そこで、マイナーチェンジで変わりすぎなモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「プロボックス/サクシード」
トヨタの商用車というと1BOXバンの「ハイエース」とライトバンの「プロボックス/サクシード」が代表的な存在です。
どちらも発売から15年をオーバーするロングセラー車ですが、一般的に商用車はフルモデルチェンジのサイクルが非常に長く、20年以上もフルモデルチェンジしないこともありますが、マイナーチェンジは定期的におこなわれています。
そして、2002年に発売されたプロボックス/サクシードは、発売12年が経った2014年に、マイナーチェンジとは思えないほどの変更を受けることになりました。
誕生以来、プロボックスとサクシードは、前後のデザインと内装の装備、積載量、全長が異なっていましたが、マイナーチェンジでエンブレム以外を完全に統一。
フロントフェイスのデザインはそれまでと大きく変わり、あっさりした意匠から複雑な造形の組み合わせとなって、一気にモダンな印象となっています。
また内装では、より使う人に寄り添うアイデアが盛り込まれたことで使い勝手が向上。ほかにも衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備も搭載しました。
2018年8月にはシリーズ初となる、ハイブリッドモデルもラインナップに加わります。
プロボックス/サクシードは発売から18年も経ちますが、大規模なマイナーチェンジを受けたことで、まだまだ現役を続けそうです。
●三菱「ミラージュディンゴ」
1999年に発売された三菱のコンパクトトールワゴン「ミラージュディンゴ」は、同社のコンパクトカー「ミラージュ」の名を冠していますが、派生車ではなく独立した車種として登場しました。
外観のデザインではフロントフェイスが特徴的で、ターンシグナルを内蔵した縦型異型ヘッドライトを採用し、テールライトもヘッドライトと同様に縦基調のデザインを採用。
発売当初は新開発の1.5リッター直列4気筒直噴エンジン「GDI」を搭載するなど、技術的にも意欲作でした。
しかし、アグレッシブなフロントフェイスが不評だったためか、販売は徐々に低迷。
そこで、三菱は2001年にマイナーチェンジをおこない、フロントとリアのデザインを刷新します。
とくにフロントフェイスはまったくの別物となり、ヘッドライトは縦基調から一般的な横基調とされるなど、オーソドックスなデザインに変貌。
従来のデザインを完全に否定することで販売台数の好転が期待されましたが、マイナーチェンジ後も販売台数は伸び悩み、2002年に生産を終了しました。
●スズキ「グランドエスクード」
現在、スズキのSUVラインナップの中核を担っている「エスクード」は、30年もの長い歴史のあるモデルです。
現行モデルのエスクードは2列シートの5人乗りのみですが、かつて3列シート7人乗りの派生車「グランドエスクード」が販売されていました。
2000年に発売されたグランドエスクードは、2代目エスクードをベースに全長を485mm延ばして4575mmとした、ロングボディのステーションワゴンタイプのモデルで、内装には3列シートを設置。
エンジンは新開発の2.7リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載し、駆動方式はパートタイム4WDシステムとなっています。
そして、販売台数が低迷していたことから、2003年のマイナーチェンジでフロントフェイスを大幅に変更。スズキのフラッグシップSUVとして、力強さを感じさせるデザインに一新する大きなテコ入れがおこなわれました。
しかし、大きく販売台数が好転することなく、2005年に生産を終了。
現在、3列シートSUVが人気となっていることから、グランドエスクードの登場は早すぎたのかもしれません。
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