車のヘッドレストは「頭を休める」ものではない!? 「枕」と違う本当の役割とは
クルマのシートに付いているヘッドレスト。「レスト」の意味は、じつは「休む」ではありません。そして、万が一の際に重要な役割をするヘッドレストは、正しい位置にしていないと効果が発揮されないといいます。正しい調整はどのようにするのでしょうか。
車のヘッドレスト、実は「頭」と「休憩」の意味ではない
クルマの座席には、後頭部に当たる位置に「ヘッドレスト」が装着されています。名前からして、英語が由来であるということは推察できますが、じつは英語の「ヘッド(head:頭)」と「レスト(rest:休憩)」を単純に合わせた単語ではないといいます。
本来の意味や正しい役割はいったい何なのでしょうか。
今回は、ロードサービスを全国で展開するほか交通安全の啓発活動にも取り組む、JAFの交通環境係で勤務する内藤氏に話を聞きました。
内藤氏は、ヘッドレストの役割について次のように説明します。
「そもそもヘッドレストは何のために装着されているのかご存じでしょうか。
レストと聞くと、『休む』や『休憩』という意味から、頭を休ませるためのものと思われる人もいらっしゃるかもしれません。
しかしながらレストは省略された言葉で、正式には『レストレイント(restraint)』、つまり、『拘束』という意味になります。
すなわち、ヘッドレストは頭を拘束する装置となり、シートベルトと同様に乗員保護装置となっています。
ヘッドレストを正しく調整することで、背後からの衝撃などで首が後ろにしなる、いわゆる『むち打ち症』を防ぐことができるのです」
2020年現在販売される新車のなかには、シートとヘッドレストが一体となっているものも一部あるものの、シートに差し込み、位置を上下に動かすことのできるタイプのヘッドレストが主流となっています。
ヘッドレストが動く理由は、枕の位置を調節して快適に座るためではなかったのです。
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