車のヘッドレストは「頭を休める」ものではない!? 「枕」と違う本当の役割とは

ヘッドレストの正しい調整方法とは?

 では、ヘッドレストの正しく調整するには、どのようにすればよいのでしょうか。頭が後ろにしなるのを防ぐ(むち打ち症を防ぐ)目的であれば、極力高めの位置で設定するのが単純に思えますが、そうではないようです。

 前出の内藤氏は次のように説明します。

「ヘッドレストの正しい調整方法としては、ヘッドレストの頂上部が頭の頂上部と同じ高さになるように合わせます。

 眼鏡をかけている人であれば、眼鏡のつるとヘッドレストの中心部が同じ高さになるように合わせるようにしましょう。

 体型やクルマによっては同じ高さに合わせられない場合がありますので、その際は、可能な限り理想の位置に近づけるようにしましょう」

シートに深く腰を掛けるのが正しい運転姿勢のひとつ
シートに深く腰を掛けるのが正しい運転姿勢のひとつ

 また、ヘッドレストの位置と密接に関わるクルマの運転姿勢についても、内藤氏は次のようによびかけます。

「運転姿勢をとる際に、頭とヘッドレストの間は隙間がないように調整しましょう。

 隙間があいてしまう場合は、正しい運転姿勢ではない可能性があります。シートに深く腰掛けていない、背もたれを倒しすぎているなど、誤った姿勢で運転していないでしょうか。

 ヘッドレストの調整だけをするのではなく、シートの前後位置や背もたれなどを正しい位置に調整する事により、自然と頭とヘッドレストの隙間もなくなります。いま一度、正しい運転姿勢を確認してみてください」

※ ※ ※

 後席の場合、3人掛けであってもコストダウンのためか、ふたつしかヘッドレストが装備されていないクルマもあります。また、商用車の場合は後席にまったくない場合もあります。

 後席に人を乗せることがある場合は、クルマの購入前にヘッドレストの装備の有無もチェックしたいところです。

 そして、ヘッドレストが装備されていても、ヘッドレストを適切な位置で使っていない場合、万が一の衝突事故で十分な効果が発揮されません。ドライビングポジションとともに、ヘッドレストの調整もあわせておこなうことが重要です。

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