数億円のスーパーカーを「経費で落とす」はOK!? 節税対策はどこまで可能? 税理士に聞いてみた!
経費で落とすなら、新車よりも中古車の方が良い?
事業上に必要である前提で社用車を購入する場合、多くの人はせっかくなら新車の方がいいと思うかもしれません。しかし、税制上のメリットを考慮すると、意外にも中古車のほうがよい場合も多いようです。
前出の税理士は次のように話します。
「自動車のように、複数年にわたって使用可能なものは、原則として1年で全額を経費にすることができません。
法定耐用年数といって、その製品の使用可能な年数が決められており、新車の場合、普通車は6年、軽自動車は4年となっています。
細かい計算は割愛しますが、たまたま1000万円の利益が出たからといって、1000万円の新車を購入しても実際にその年度に経費で落とせるのは200万円以下ということになるのです。
一方、中古車の場合、法定耐用年数は『新車の法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2』という式によって表されます。
中古車の方が、法定耐用年数が短い分、年度内により多くの経費を計上することができるという意味で、節税メリットはあるといえます。
さらに、4年落ちの中古車であるなど、一定の条件が整うと法定耐用年数が1年となり、年度内にすべてを経費として計上することが可能になります。
多くの企業は、翌年度以降も安定して利益が出続けるとは限らないため、その年度の利益だけにしか影響を及ぼさないというのは非常に大きなメリットです」
このように、特定の条件が揃うことで、節税効果を最大化させることができます。近年、高級輸入車ブランドが中古車の販売にも力を入れていますが、その背景にはこうした税制上のメリットがあるといえます。
節税すること自体は違法であるどころか、国税庁も推奨しています。事業上の必要性があれば、理論上はどんなクルマでも経費で落とすことが可能です。また、税金の仕組みを正確に理解できれば、節税効果を最大化することも可能です。
一方で、前出の税理士は次のように警鐘を鳴らします。
「手元の現金を最大化するためには、税金を支払う以外に方法はありません。利益が出ているからといって、本当に必要でないものを購入するのは本末転倒です。
また、社用車を購入する際も、節税を意識しすぎるのではなく、本当に必要なクルマを選ぶことをオススメしています。結果として、『節税効果があればラッキー』というように考えるのがよいのかもしれません」
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