暴落!! 「599 GTO」が5500万円! モダンフェラーリは今が買い時か!?

フェラーリのフラッグシップモデルであった「599」のスペチアーレモデルである「599GTO」と超レアモデル「599 SAアペルタ」は、果たしてどちらが人気があるのか、最新オークションで調査してみた。

量産モデル系スペチアーレの現在の評価は?

 2020年3月以来、クラシックカー/コレクターズカーの国際オークションは、すべて新型コロナウイルス禍に対応したオンライン限定に移行。これまで、世界各地でオンラインオークションが開催されてきた。

 ところが季節が秋を迎えた頃から、インターネット上だけでなく、実際に会場で車両を入札希望者に見せつつ進行する対面型オークションとの併催を、コロナ禍との共存を模索するためにもおこなうオークションハウスが、いくつか現れ始めているようだ。

 業界大手のボナムズ(Bonhams)社が、9月20日午後(現地時刻)の入札締め切りで開催した「The Bonmont Sale 2020」もそのひとつ。厳密な入場制限や感染対策をおこなうべく、スイス・ジュネーヴ近郊の小さな村、チェセレックスの特設会場に出品車両を集め、そこで競売もおこなったという。

 オークションに出された車両は、地元スイスからの出品を優先したためか、二輪車/四輪車あわせて70台と少々少なめの様子。しかし、そこは1793年創業の名門ボナムズである。質的には、選りすぐりのクルマが多くを占めていた。

 今回われわれVAGUEが注目したのは、国際オークションにおいては常に主役の一角を占めるフェラーリ。そのなかでも「599」をベースに限定生産された「スペチアーレ」なモデル2台にいかなる審判が下されたかについて、オークションレビューを届けよう。

●2011 フェラーリ「599 GTO」

フェラーリにとっても最も偉大な名跡「GTO」を名乗った1台、フェラーリ「599GTO」(C)Bonhams 2001-2020
フェラーリにとっても最も偉大な名跡「GTO」を名乗った1台、フェラーリ「599GTO」(C)Bonhams 2001-2020

「The Bonmont Sale 2020」に出品された599シリーズでまず紹介するのは、フェラーリにとってもっとも偉大な名跡「GTO」を名乗った一台、フェラーリ「599GTO」である。

 2010年春、北京モーターショーにて世界初公開された599GTOは、かつてニュルブルクリンク北コースで市販車ベースレーシングカーの最速ラップ記録を更新したことでも話題となった、599ベースのサーキット専用車「599XX」のロードバージョンともいえるだろう。

 あらゆる部位にフェラーリ自慢の最先端レーステクノロジーが惜しみなく注入されていると謳われたが、なんといっても最大のトピックは軽量化。標準型599から実に120kgの減量に成功し、1495kgという魅力的な数値を実現した。

 そしてエクステリアは、大型のエアスプリッターを組み込んだフロントバンパーやリアディフューザーで完全武装。デビュー時の資料によると「200km/h走行時に144kgものダウンフォースを生み出す」と標榜されていた。

 もちろんシャシにも、599譲りの電子デバイスを満載。599XXやF1GPで培った最新技術からフィードバックされた「F1トラック」や「SCMサスペンション」はもちろん、ブレーキもカーボンセラミックディスクを持つ。

 さらにこの時代のF1マシンのごとく、ブレーキ冷却性能と空力に効果を発揮する「ホイールドーナツ」を装着したのも、599XX譲りであった。

 パワートレインは、「エンツォ・フェラーリ」由来の6リッターV型12気筒エンジンを搭載。標準型599から50psアップ、そして「エンツォ」よりも10psアップとなる670psを発揮する。

 そして、専用プログラムの「F1スーパーファスト」6速2ペダルMTとの組み合わせで、当時の市販フェラーリでは最速となる最高速335km/h、0−100km/h加速3.35秒というポテンシャルを達成。フィオラーノのテストコースを1分24秒で走り切る実力を持つ。つまり、あのエンツォ・フェラーリよりも、マキシマム以外ではことごとく速いデータを叩きだしたのである。

 フェラーリが「360チェレンジ・ストラダーレ」で構築した、量産モデルのハードコア版としてのスペチアーレという方法論に、V12モデルとしては初めて挑んだ599GTOは、その車名にちなんだ599台のみが限定生産。このオークションに出品されたのはそのうちの1台で、初登録の段階からスイス国内のひとりのオーナーのもとで過ごしてきた。

 デリバリー以来の走行距離は、まだ1577kmという超ローマイレージ。フェラーリの限定モデルには自動的に添付される「フェラーリ・クラシケ」のレッドブックをはじめ、すべてのドキュメントが添えられるという。

 ひと頃は、日本円で「億越え」で取り引きされる事例がいくつも見られた599GTOだが、新型コロナウイルス禍以後のマーケット相場を考慮してだろうか、エスティメート(推定落札価格)は55万−75万スイスフラン。日本円に換算すると約6400万円−約8800万円という、いささか控えめにも見受けられる数字となっていた。

 しかも9月20日に行われた競売では、もとより低めに抑えてあったはずのエスティメートを下回る48万3000スイスフラン、日本円換算では約5535万円という予想外にリーズナブルな価格で落札されることになったのである。

【画像】どっちもスペシャルなフェラーリ「599」を見比べる!(27枚)

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