背中で感じる最後のフェラーリサウンド!? 「458スペチアーレ」の何が凄かったのか?

本当のフェラーリサウンドを奏でる最後のモデルとは?

 さらに注目しなければならないのは、当時最先端のエアロダイナミクス技術によって生み出された、Cd値で0.33という高性能なボディデザインである。マン・マシン・インターフェイスの進化を実現した機能的なコックピットとともに、これもまた458イタリアの大きな魅力となっていた。

●2014 フェラーリ「458スペチアーレ」

実走行が200kmにも満たない「458スペチアーレ」。新車価格の1.3倍から1.7倍のエスティメートが付けられた(C)Bonhams 2001-2020
実走行が200kmにも満たない「458スペチアーレ」。新車価格の1.3倍から1.7倍のエスティメートが付けられた(C)Bonhams 2001-2020

 今回ボナムス1793が、同じ2014年モデルで2台出品したのは、この458イタリアをベースに製作された高性能バージョンの「458スペチアーレ」で、いずれもスイスで登録されている。

 スペチアーレ用のエンジンは、458イタリア比でさらに35psプラスの605ps仕様。最大トルクも540Nmと強力だ。0−100km/h加速はわずかに3秒。当時そのパフォーマンスは史上最強のオンロード8気筒と評してもよいほどだった。

 実際に2台のコンディションは甲乙つけがたい。とりわけブルーのモデルは、2009年にマラネロのフェラーリファクトリーを出荷された後、オーナーによって大切に保管され、走行距離は現在までにわずか198km。オプションは豊富に装備されており、買い得感は相当に高い1台といえそうだ。

 もう1台の458スペチアーレは、ブラックのエクステリア・カラーを選択したもの。こちらも新車デリバリーから、わずかに405kmを走行したのみのモデルで、ボナムス1793は内外観、メカニズムともに新車のコンディションに等しいとセールスする。

 ブルーの458スペチアーレは、内装はブラックを基調としてシートセンターにブルー系の表皮を用い、内外装ともにコーディネートされたセンスの良い1台だ。

 一方のブラックの458スペチアーレの内装は赤茶色がベースとなり、シートセンターにブラックが使われ、レーシーななかにもラグジュアリーな雰囲気が演出されている。

 どちらもボディにはレーシングストライプが施されており、458スペチアーレであることは一目瞭然である。

 フェラーリのリアミッドV8モデルは、このあと「488」へとバトンタッチされるのだが、エンジンがターボ化されてしまうことは、458スペチアーレ登場の際から決定事項だったため、「最後の自然吸気V8フェラーリ」という触れ込みで高い注目を集めていた。

 とくにフェラーリの管楽器のようなエキゾーストサウンドにこだわりを持つカスタマーには、458スペチアーレこそ最後の正真正銘のフェラーリサウンドという評価を受けている。

 両車ともにエスティメート(予想落札価格)は、40万−50万スイスフラン(邦貨換算約4600万円−5700万円)。

 新車当時価格は3390万円だったので、エスティメートは新車価格から1.3倍−1.7倍。走行距離からすると、ほぼ新車コンディションなので当然とも思えるエスティメートであるが、リアミッドV8フェラーリは、ガレージに飾っておくよりも走らせて楽しみたいというカスタマーの方が多い。そうしたこともあってか残念ながら流札となってしまった。

 確かに、サウンドを堪能したい458スペチアーレであるだけに、新車同然コンディションのプレミアがついた個体を落札するのは、目的を考えると高額すぎるということだろうか。

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