「あら可愛い!」 見た目とのギャップが良い! ホンダeは街中ベスト!? 5つの魅力とは
ただのエコな電気自動車では無い!? キビキビ&小回り重視な楽しさとは
4つめのポイントは、走行切り替えモードの変化の大きさ。ホンダeには走行切り替えモードがついていて、「ノーマル」と「スポーツ」を選択できます。
その変化幅が大きく“キャラ変”の度合いはなかなかです。「ノーマル」だとリニアリティ重視で、アクセルの操作量に応じて忠実に加速。いっぽう「スポーツ」はアクセル踏み込み量よりも鋭く加速が立ち上がり、俊敏さが強調されるのです。その違いの度合いの大きさが印象的でした。
違いが分かりやすいのはジワリと踏んだときの反応で、逆にアクセルを全開にするとどちらも同じ加速となります。どちらを使うかは、好みや状況に合わせればいいでしょう。「今は運転を楽しみたい」というときは「スポーツ」がおススメです。
5つめの驚きは、道路でUターンしたときに現れました。片側1車線の道路でもスッと回れてしまったのです。驚くほどの小回りです。
最小回転半径は、同社の軽自動車「N-BOX」(4.5m)よりも小さな4.3m。コンパクトカー「フィット」でも4.9mと聞けば、ホンダeがどれだけ小さく回れるかイメージできるでしょう。
その理由は短いホイールベースに加えてタイヤの切れ角が大きいことですが、結果としてUターンだけでなく車庫入れなどでも小さく回れるメリットを実感。そんな小回り性能は、日常域での運転しやすさを高めます。
こうして実際にホンダeを運転してみると、電気自動車だからといって単なるエコカーではないことがわかりました。動力性能に加えてハンドリングも含め、運転を楽しめるクルマに仕上がっているのです。
ホンダeはバッテリーが35.5kWhと小さく、航続距離もWLTCモードで259km-283kmと昨今の電気自動車としてはそこまで長距離を走れるわけではありません。そこを短所とする判断はわからなくもありません。
しかし、小さな車体とすることで、コンパクトカーならではの走りを実現させることで個性を際立てていると考えればキャラクターが分かりやすいでしょう。
「大は小を兼ねる」という考え方では理解しづらいのですが、街中での運転しやすさなど小さいからこその美点が存在するのです。
もちろん、航続距離を考えると遠くに出かける際は不安で、ホンダeだけですべてのカーライフをまかなうのは現実的とはいえないという気持ちはよくわかります。
だからホンダeは複数台所有の人が日常の街乗り用の贅沢なコンパクトカーとして選ぶのがもっともふさわしいスタイルでしょう。個人的にはキャラクターのまったく異なる「シビックタイプR」との2台所有のカーライフに憧れます。
しかし、日常的に200kmを超える移動をする人は多くないでしょう。そこで「年に数回の遠出のときはレンタカーやカーシェアで済ませる」と割り切れば、ホンダeだけの所有でも充実したカーライフとなりそうです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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