フェラーリの資産価値を高める「クラシケ」とは? その仕組と申請方法
フェラーリやランボルギーニのクラシックカーがオークションに登場するとよく目にする「クラシケ」や「ポロストリコ」という言葉は、いったい何を意味しているのだろうか。それらの意味と申請方法を解説しよう。
フェラーリの保護と車両売却時における車両価値をキープすることが目的
クラシックカーに注目が集まるようになって久しい。それは投機対象としての価値が非常に高くなったからだが、その最たるブランドがフェラーリであるのは、誰もが認めるところだろう
クラシック・フェラーリのオークションでの落札価格は、クラシックカーの市場価値のひとつの基準となっている。フェラーリ「250」シリーズは、数億円で落札されることが常であり、「250 GTO」にいたっては、史上最高落札額を更新するかもしれない期待感も伴って、世界中のミリオネアやエンスージアストの注目を集めるほどである。
フェラーリのクラシックカーがなぜこのように高値で落札されるのか、それには理由がある。フェラーリというブランドの人気が高いことも当然あるが、フェラーリ本社がクラシック・フェラーリに与える車両認定証明書、その名も「クラシケ」の存在が大きい。
クラシケの認定を受けた車両は、いわばフェラーリから「由緒正しい跳ね馬」であるというお墨付きをもらったに等しい。そのため、同じクルマでも、クラシケ認定の有無で、市場価値に大きな差が出てしまうのである。
クラシケの認定を取ることは、オーナーだけにメリットがあるわけではない。申請するためにはフェラーリ正規ディーラーを通さねばならず、また250 GTOのような別格の車両になればなるほど、マラネッロのフェラーリ本社でメンテナンスを受けたというヒストリーが重要になってくる。つまり、そうした際の認定書発行や修復・整備費用がフェラーリには入ることになるのだ。
たとえば、グッドウッド・リバイバル・ミーティングなどのイベントで出走する250 GTOは、テール トゥ ノーズ、サイド バイ サイドの全開ガチンコレースを繰り広げる。もちろんクラッシュなどのアクシデントもあるが、フェラーリ本社で修復・整備することで、その個体の価値が下がることはない。ただしその修復費用は驚くほどの価格となる。
さらに大切なのは、フェラーリ本社スタッフとマラネッロ周辺にあるカロッツェリアの職人たちの技術を継承するという側面もある。クラシケという制度は、オーナーだけでなくフェラーリにも非常にメリットのある仕組みなのだ。
このクラシケに似たクラシック部門を立ち上げたのが、ランボルギーニの「ポロストリコ」である。ポロストリコが発足してから、「ミウラ」をはじめとするクラシック・ランボルギーニの価値は右肩上がりで上昇している。
では、フェラーリがクラシケと認めるのは、どのようなモデルなのだろうか。
1:車歴20年以上の市販車
2:限定生産車
3:年式を問わないすべてのレーシングカー
上記のいずれかを満たしたモデルが、クラシケの対象となる。クラシケは、オーナーが所有する車両の保護と車両売却時における車両価値をキープすることにこそ、その目的があるのだ。
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