新型Zのデザインはどう?「目はS30、お尻はZ32」歴代Zも振り返る
日産の「フェアレディZ」は、1969年に初代(S30)が登場して以来、2019年には50周年を迎える日本が世界に誇るスポーツカーです。2020年9月16日には、次期型「フェアレディZ」のプロトタイプが世界初公開。とくに注目されたのが初代S30と4代目Z32のデザインを継承していることですが、そもそもS30とZ32とはどのようなクルマなのでしょうか。
新型フェアレディZの元となったS30&Z32ってどんなクルマ?
2020年9月16日、日産は日本を代表するスポーツカーである「フェアレディZ」のニューモデルを示唆するプロトタイプを公開しました。
発売時期はまた明らかになっていませんが「内外装のデザインを刷新するとともに、V6ツインターボエンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせたパワートレインを搭載」としています。
日産のデザインを統括するアルフォンソ・アルバイザ氏は「初代S30型のシルエットやフロント&リヤのアイコニックなモチーフを受け継いだ」「リヤのデザインは、S30やZ32型などいくつかの歴代Zが持つテールランプからインスピレーションを得たデザインテーマを現代流にアレンジ」と、意匠にかつてのフェアレディZへのオマージュが含まれていることを説明。
具体的には半円のヘッドライト、中央が膨らんだボンネットフードにS30、水平な発光部を並べたテールランプにZ32の面影を強く感じることができます。
ところで、そんな次期フェアレディZにも強い影響を与えている、「S30」や「Z32」とはどんなクルマなのでしょうか。
S30は「フェアレディZ」としては初代となるモデルで、1969年に発売されました。
スポーツカーの主要マーケットであるアメリカ市場をメインに据え、魅力あるスタイルや欧州のスポーツカーに匹敵する走行性能を備えることを目標として開発。
北米市場において、日産(当時は「ダットサン」ブランド)の認知度を高めるべくイメージリーダーとなる役割のスポーツカーが欲しいという現地からの声を受けて作られたクルマでした。
デザインはロングノーズ&ショートデッキの古典体なスポーツカースタイルで、後席のない2人乗りと、後席のついた「2by2」を設定。
その長いボンネットフードの下に収まるエンジンは全車とも直列6気筒自然吸気で、排気量はリッターから2.8リッターまで用意されました。
動力性能においてトップに立つ「Z432」には当時のスカイラインGT-Rと同じ「S20」エンジンが積まれ、160馬力を発生。
2.4リッターエンジンを積んだ「240Z」は1971年のサファリラリーで総合優勝を収めるなど、モータースポーツでも大活躍しました。
そんな初代フェアレディZの「S30」は海外において、日産車のイメージを飛躍的に高めたモデルなのです。
S30は、美しいスタイルと高い走行性能を持つうえに、アメリカ車や欧州車に比べて格段に安い価格もあって北米で大ヒットします。
1978年に生産を終えるまでに50万台を超える車両が作られ、そのうち9割ほどを輸出。なかでも北米では今なおファンが多く存在し、伝説的なクルマとなっているのです。
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