なぜスバル「レヴォーグ」は生まれた? 歴代レガシィから継承したモノとは
新型レヴォーグは、歴代レガシィ&初代レヴォーグのDNAを継承して生まれた?
スバルのクルマづくりの基本は乗る人すべてに安心と愉しさの提供ですが、全面刷新されたメカニズムが相乗効果を生み、結果として激変レベルに高められています。
例えるなら30年前に「レオーネ」からレガシィに変わったくらいの衝撃です。ただ、勘違いしてほしくないのは、新型レヴォーグが突然変異で生まれたのではなく、歴代レガシィや初代レヴォーグでの経験が次世代技術という武器を用いたことで花開いたことにあります。
フルインナーフレーム構造採用のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)や新世代ボクサーターボ「CB18」をはじめとするメカニズムの刷新、アイサイトX採用といった先進安全の進化と、すべてが刷新されています。
開発責任者の五島賢氏は「新型レヴォーグでスバルの未来を証明するために、次世代技術は新型レヴォーグに合わせて開発したといっても過言ではない」と語っています。
ちなみに新型レヴォーグの走りの味付けは、辰己氏の愛弟子であるエンジニアが担当。さらにSTI社とのコラボレーションもこれまで以上に密接におこなうなど、従来の枠にとらわれない開発アプローチとなっているそうです。
実は新型レヴォーグに乗る前に新車に近いコンディションに仕上げられた歴代レガシィと初代レヴォーグに乗る機会がありました。
どの世代もスバルのグランドツーリング思想に則っているのは間違いないですが、バランス重視な1代目/3代目、スポーツ性重視の2代目/4代目と初代レヴォーグ、そしてツーリング志向の5代目と時代背景やユーザーの嗜好に合わせて個性は少しずつ異なりました。
それを体験した後に新型に乗ると、歴代モデルのいい所が見事に融合している事に気が付きました。それは新型レヴォーグが現時点でスバルが理想とするGT性能を手に入れた事を意味しています。つまり、「レガシィ→新型レヴォーグ」への継承は、超革新なくしては実現できなかったのです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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