なぜスバル「レヴォーグ」は生まれた? 歴代レガシィから継承したモノとは

2020年10月15日に発表されるスバルの新型「レヴォーグ」。多くのユーザーから注目されるモデルですが、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

業界騒然!? 新型レヴォーグが凄すぎるらしい…

 2020年8月20日より先行予約が開始されたスバルの新型「レヴォーグ」。その注目度はここ数年のスバル車トップレベルで、先行展示会では乗車体験1時間待ちという話も聞いています。
 
 予約のほうも好調で、関係者によると予約台数はスバル自身が驚くレベルの台数を記録しているそうです。

初代レガシィから歴代モデルを経て継承したスバルの次世代「レヴォーグ」
初代レガシィから歴代モデルを経て継承したスバルの次世代「レヴォーグ」

 そんな新型レヴォーグの開発コンセプトは「継承と超革新」です。今回は“継承”の部分に注目してみたいと思います。

 今では好調なスバルですが、1980年代は他社による買収や倒産の危機まで報道されるほど厳しい局面に立たされていました。この危機感から「クルマで勝負」、「本気でいいクルマを造る」という流れから開発されたのが、1989年に登場した初代「レガシィ」でした。

 開発コンセプトは単純明快で「日本一で一番いいセダン/ワゴンを作る」。その実現のために、プラットフォームは「スバル1000」以来となる全面新設計でサスペンションも4輪ストラットが奢られました。また、エンジンも同じ水平対向ながらも完全新設計となるEJ型が開発されました。

 ハードの刷新のみならず開発手法にもメスが入り、従来の「縦割り&技術主導」から「プロジェクトチーム制」へと変更。

 さらに走りの味付けは一人の担当者に一任されました。彼はベンチマークとしてメルセデス・ベンツ「190E」を徹底的に解析すると同時にプライベートで参戦していたダートトライアルでの経験を活かし、舗装路でも通用する「曲がる4WD」を作り上げました。

 その実験担当者とは、現在STI NBRチャレンジの総監督でありハンドリングマイスターの辰己英治氏です。

 このような経緯で生まれた初代レガシィの走りは高く評価され、スバルのイメージは「積雪地域で乗るクルマ」から「走りにこだわりのあるメーカー」へと大きく変わりました。

 その後、レガシィは世代を重ねるごとに進化・熟成がおこなわれていきます。「世界一」を目指した2代目(1993年)、「世界で通用する本物のブランド」を目指した3代目(1998年)、「走りと美しさを融合」を目指した4代目(2003年)と、歴代モデルを振り返るとさまざまなトピックがありますが、大きな転機は2008年に登場の5代目です。

 北米からの要望に応えてボディサイズを拡大。この判断が功を奏して北米で大ブレイクし、スバルの業績アップに大きく貢献しました。しかし、これまでレガシィを支えてきた日本市場からの反応は「レガシィは日本市場を捨てた」といわれ苦戦。

「レガシィだけでは全て地域のユーザーを満足できない」、そんな想いから生まれた企画が「日本人のためのレガシィ」で、それが2014年に登場した初代レヴォーグです。ちなみにネーミングの由来は「レガシィ・レボリューション・ツーリング」とド直球でした。

 スバル自ら「レヴォーグは『レガシィ・ツーリングワゴンの血統』を継承する、日本のためのクルマ」と語っていますが、何が継承されたのでしょうか。

 そのひとつは「グランドツーリング(GT)思想」です。ちなみにスバルの考えるGTの要件は、「より速く」、「より快適に」、「より遠くに」、「より安全に」です。要約すると“総合性能”が重要ということで、言葉でいうと簡単ですが、実現は非常に難しいです。

 歴代レガシィはその難関に立ち向かうためにその時代におけるスバルの最先端技術を惜しみなく投入してきました。後継の初代レヴォーグも4代目レガシィ並みの扱いやすいボディ、2種類のターボエンジン、「WRX」譲りのフットワークの良さ、進化したアイサイト(前期:バージョン3、後期:ツーリングアシスト)などが導入されています。

 初代レヴォーグは市場で高く評価され、日本市場をけん引する新たなリーダー的存在になりましたが、その裏で2代目となる新型レヴォーグのための仕込みが進められていました。

 ただ、他社と違って将来ビジョンをほとんど語ろうとしないスバルの姿勢に、「スバルの未来はホントに大丈夫?」と心配になったのも事実です。

 ただ、今回新型レヴォーグに乗ってスバルの未来がハッキリしました。つまり、言葉ではなくモノで証明したわけですが、まさに究極の口下手といえます。

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