生産終了の可能性も… 10年目のトヨタ「プリウスα」 カローラ人気に押される現状
発売開始から10年目に突入したトヨタのステーションワゴン「プリウスα」ですが、最近ではトヨタ「カローラツーリング」に押され気味です。改良回数の減少、海外での生産終了、ライバルの出現により生産終了の噂が出ていますが、プリウスαの現状はどうなっているのでしょうか。
カローラツーリングの圧倒的「バランス感」に、為す術なし?
トヨタのワゴンモデルとして長きに渡り販売されている「プリウスα」ですが、モデルライフや競合モデルの刷新などにより、年々販売台数が減少しているといいます。
プリウスの派生モデルとして、話題を集めたプリウスαの直近での販売動向は、どのような状況なのでしょうか。
プリウスαは、2011年5月に発売され2020年で10年目を迎えるモデルです。
ベースとなるのは先代となる3代目プリウスとなり、2015年に現行の4代目プリウスが登場してからも一世代前のプラットフォームを使い続けています。
プリウスαは、2列シート車(5名乗車)と3列シート車(7名乗車)の2タイプを設定し、3列シート車には、トヨタのハイブリッド量産車として初めてリチウムイオン電池を採用。
世界各国では、「プリウスv(北米仕様・2列シート車)」や「プリウス+(欧州仕様・3列シート車)」という名称・仕様で販売されていました。
なお、プリウスαは2017年の一部改良で衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」が全車標準装備された以降は、大きな改良はおこなわれていません。
一方で、ステーションワゴン市場自体は年々縮小傾向にあるものの、2019年9月にはトヨタ「カローラ」が12代目へとフルモデルチェンジ。「カローラ(ワゴン)」と「カローラツーリング(ワゴン)」が設定され、2020年8月時点まで好調な販売を誇っています。
同じトヨタブランドから最新の性能・機能を備えたカローラツーリングが登場したことで、プリウスαの販売にも影響が出ているようです。
また、2018年には北米や韓国市場向け「プリウスV」の販売が終了するなど、徐々にプリウスαの販売が縮小しているように見えます。
最近のプリウスαについて、首都圏のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「現在はカローラツーリングの人気が圧倒的なため、プリウスαを検討する人はほとんど見かけなくなってしまいました。
それどころか、最近ではプリウスαからカローラツーリングに乗り換えるというお客さまも見かけるようになっています。
カローラツーリングを検討されている人に、別の選択肢としてプリウスαを提案することはあります。しかし、カローラツーリングの方が価格が安いうえに低燃費でサイズも取り回しやすいため、人気の差は歴然です。
プリウスαには、7人乗りモデルがあるほかラゲッジスペースが広いという長所があるものの、そもそも7人乗りが不要という人や、ボディサイズが大きいのが『扱いにくい』と感じる人が増えているので、現在のニーズにマッチできていないのだと考えられます」
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実際の価格面では、プリウスαが261万2500円から362万2300円なのに対し、カローラツーリングは201万3000円から299万7500円となっており、全体的にみると60万円ほどの価格差があります。
また、燃費性能では、プリウスαはハイブリッド車(2WD)のみのラインナップでWLTCモード燃費は20.7km/Lです。
一方のカローラツーリングのハイブリッド車(2WD)は、WLTCモード燃費が25.6km/Lから29.0km/Lと、最大で9km/Lほど上回っています。
そしてステーションワゴンで重要視されるラゲッジでは、プリウスαは荷室長が約985mm、最大荷室幅1580mm、ラゲッジ容量は5人乗りモデルが535リットル、7人乗りモデルが3列目格納時で505リットルとなっています。
カローラツーリングは、荷室長930mm、最大荷室幅1464mm、ラゲッジ容量は通常時で392リットルとなっており、やや広さでは劣っています。
しかし、その分ボディサイズに差が生まれます。プリウスαは、全長4630mm-4645mm×全幅1775mm×全高1575mmですが、カローラツーリングは全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mmと、ひと回りコンパクトです。
近年はSUVやミニバンでさえ、コンパクトなサイズが求められる時代です。ステーションワゴンにおいても、ユーザーのニーズは「扱いやすさ」が優先されるようで、「広ければ広いほどいい」では人気を獲得できなくなっているのかもしれません。
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