4億6000万円で落札!! 最も高価な「ミウラ」は「イオタ」エンジンを搭載していた!

「イオタ」のエンジンがなぜこの「ミウラ」に!?

 パワーユニットの特徴は大きく分けてふたつ。

 ドライサンプの潤滑方式と、LSDの装備である。

 そもそものJ=イオタは1970年にランボルギーニから、イタリアのミラノに在住するカスタマーへと売却されるが、その後何人かのオーナーの手を経るなかで、クラッシュし、全損してしまう。

約4億6000万円で落札された1971年式のランボルギーニ「ミウラP400 SVスペチアーレ」(C)2020 by Gooding & Company Inc.
約4億6000万円で落札された1971年式のランボルギーニ「ミウラP400 SVスペチアーレ」(C)2020 by Gooding & Company Inc.

 その時にランボルギーニに引き取られたイオタから回収されたエンジン(NO:30664)が、今回パッション・オブ・ア・ライフタイムに出品されたP400 SVのエンジンルームに収められているというわけだ。

 さらにオイルクーラーの新設やシングルタイプのディストリビューターの装備など、エンジンルーム内の光景はオリジナルのP400 SVミウラとは、かなり異なったものに見える。

 新車時にゴールドだったボディーカラーは、一度レッドへと改められるが、2003年に開催されたランボルギーニの創立40周年イベントへの参加を目標に、再びランボルギーニのレストア部門でゴールドに戻されている。

 それと同時にエンジンやシャシもベストな状態へとレストアされた。もちろんその時のコンディションは現在でも健在だ。

 パッション・オブ・ア・ライフタイムでは、2番目のロットとして登場したこのミウラP400 SVスペチアーレ。オンラインでも可能な入札は、予想落札価格の200万ポンドを超えても終わる気配を見せなかった。

 世界がざわつき始めたのは、おそらくはその頃からだろう。このスペチアーレ=特別なミウラは、いったいいくらで落札されるというのか。入札は300万ポンド(邦貨換算約4億2000万円)のラインをついに突破した。

 オークションが終了したのは、入札価格に320万7000ポンド(邦貨換算約4億6000万円)が表示された時だった。それはおそらく、オークション市場におけるミウラの最高落札価格だろう。

 はたして本物のイオタがクラッシュすることなく、現在もまだそのままの状態で生き残っていたとしたら。どれほどの価値を生み出していたのだろうか。スーパーカーファンならずとも、想像せずにはいられないオークションシーンだった。

【画像】「ミウラ」史上最高落札価格の「SVスペチアーレ」とは?(18枚)

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