本当に売る気あった!? 特別なモデルじゃない珍車5選

新型車を発売する際に、メーカーは市場規模を考えて販売台数の目標を設定します。その目標を上まわればヒットしたことになりますが、すべてのクルマが目標を超えるわけではありません。そこで、販売が成功したとはいえず、あえなく珍車の仲間入りを果たしたクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

影に隠れた存在だった珍車を振り返る

 一般的に新型車の開発には、数百億円から1000億円規模の莫大な費用がかかるといわれています。そのため各メーカーとも、市場規模をリサーチして販売目標を設定し、開発費の回収と黒字化を目指します。

記憶からも消えてしまいそうな珍車たち
記憶からも消えてしまいそうな珍車たち

 この販売目標を大きく上まわることができればヒット作といえますが、すべての新型車が目標をクリアできるとは限りません。

 そこで、販売が成功したとはいえず、あえなく珍車の仲間入りを果たしたクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「SX4セダン」

SUVをベースにしたセダンというだけでも珍車の「SX4セダン」
SUVをベースにしたセダンというだけでも珍車の「SX4セダン」

 スズキの現行ラインナップにはクロスオーバーSUVの「SX4 S-CROSS(エスクロス)」がありますが、その前身となったモデルが「SX4」です。

 SX4は2006年に発売されたコンパクトSUVで、欧州や北米でも販売するグローバルカーとして開発されました。このSX4をベースに、派生車として2007年に「SX4セダン」を発売。

 ショートワゴンタイプのSUVとセダンを同時にラインナップする事例は非常に珍しいですが、SX4の欧州テイストのデザインを生かしたセダンに仕立てられていました。

 SX4セダンは、広い室内空間とクラストップレベルとなる515リッターの大容量トランクルームが特徴的な、優れたユーティリティを持つモデルです。

 エンジンは1.5リッター直列4気筒で、組み合わされるトランスミッションは4速ATのみ。駆動方式はSX4という名を冠していながらもFFの2WDのみだったため、ベース車とは完全に異なるコンセプトとなっています。

 2014年まで販売されましたが次世代のSX4 S-CROSSではセダンが設定されず、一代限りで消滅してしまいました。現在は中古車市場でも滅多に流通しない、レアな1台です。

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●ホンダ「インテグラSJ」

かなり安直につくられた感のある「インテグラSJ」
かなり安直につくられた感のある「インテグラSJ」

 ホンダはかつて販売チャネルを「プリモ店」「クリオ店」「ベルノ店」と、3つ展開していました。

 プリモ店では「シビック」が主力で、クリオ店では「アコード」、ベルノ店では「プレリュード」や「NSX」といったスポーティなモデルを中心に販売していて、「インテグラ」もベルノ店で扱っていたモデルです。

 インテグラといえば、「タイプR」に代表されるスポーティなコンセプトのモデルとして、人気を博してきましたが、1996年に発売されたセダンの「インテグラSJ」は、それとは対極にあるようなモデルでした。

 インテグラSJは同時期に販売されていた「シビックフェリオ」のシャシをベースとし、ボディパネルの多くもシビックフェリオから流用して生産されました。

 さらにフロントマスクは、ステーションワゴンの「オルティア」から流用するなど、かなりのコスト削減策がとられています。

 エンジンは1.5リッター直列4気筒のみで、バルブ駆動にVTECとスタンダードなSOHCの2種類をラインナップ。トランスミッションは5速MTとCVT、4速ATが設定されました。

 インテグラSJのコンセプトは「フォーマルなセダン」でしたが、内外装から高級感を感じ取れることもなく、実際は、ベルノ店が販売するラインナップの隙間を埋める目的でつくられました。

 しかし、シビックフェリオと比べて存在感はなく販売は低迷し、2001年に販売を終了。現在、インテグラSJは稀代の珍車として君臨しています。

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●日産「マーチBOX」

デザインはともかく使い勝手は良かった「マーチBOX」
デザインはともかく使い勝手は良かった「マーチBOX」

 1982年に発売された日産初代「マーチ」は、グローバルで販売することを念頭に置いて開発された、新世代のFFコンパクトカーです。

 初代は当時としては異例の10年間販売されたロングセラーとなり、1992年に2代目が登場。3ドアハッチバックと5ドアハッチバックに加えカブリオレが設定されるなど、ボディバリエーションを拡充。

 そして1999年には派生車として、ステーションワゴンボディの「マーチBOX」が発売されました。

 マーチBOXはスタンダードな5ドアのマーチをベースとし、ホイールベースは変わらず、ステーションワゴンに仕立てるために荷室部分を240mm延長しています。

 さらに全高も25mm高くすることで広い室内空間を確保するとともに、ステーションワゴンらしく荷室も広くなっており、使い勝手を向上。

 また、マーチBOX専用に、折りたたんだリアシートと荷室の段差を無くすため「ダブルフォールディングシート機構」を採用しています。

 搭載されたエンジンはベース車と同じ1リッターと1.3リッターの直列4気筒で、トランスミッションは1リッター車が4速AT、1.3リッター車がCVTです。

 マーチBOXは優れたユーティリティを持つコンパクトステーションワゴンでしたが、ヒットすることなく3代目マーチの登場とともに2002年で生産を終了。

 現在、中古車市場ではわずかな台数が流通しており、比較的安価な価格で取り引きされています。

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1件のコメント

  1. またまたジェネリックと言うかリサイクルな記事ですね。

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