なぜトラックの迷惑駐車多い? 合流車線の路駐は危険! 違法でも減らない理由とは
高速道路と一般道が並行する「合流車線」では、トラックをはじめとする車両の迷惑駐車が目立ちます。なぜ、彼らはそこにクルマを停めてしまうのでしょうか。
合流車線の路肩に目立つトラックの迷惑駐車は違法になる?
高速道路を降りて一般道と合流する「合流車線」の路肩には、トラックをはじめとする大型車が列をなして駐車している姿を目撃します。
こうした迷惑駐車によって、過去には死亡事故が起きているケースもあります。なぜ、彼らはそこにクルマを停めてしまうのでしょうか。

2009年7月、栃木県内の国道バイバスで合流車線の路肩に停車していた大型トラックに対し、後方から進行してきた乗用車が追突しました。乗用車は大破し、乗車していた男女2人組が死亡しています。
警察の調べによると停車していたトラックのドライバーは、車内で仮眠を取るために駐車していたと話します。
この事故は、乗用車側の漫然運転とみられましたが、警察では自動車運転過失致死容疑としてトラックの運転者からも事情聴取をおこなっています。
本来、危険防止による一時停止や故障、料金の支払いといった状況での停車を除き、高速道路上での駐停車は道路交通法違反で罰則の対象になります。しかし、幹線道路と平行して走っている「合流車線」での路上駐車は違法行為に当たらないのでしょうか。
合流車線の道路区分について、NEXCO中日本の担当者は次のように話します。
「一般道と平行で走っている合流車線は高速道路の一部の場合もありますし、一般道に該当する場合があります。その道路によってケースバイケースなので、ハッキリどちらと断言することはできません。
高速道路にある分流や合流部分での駐停車は禁止されております。よって、トラブルなどの場合を除いて駐停車することは違反行為に該当します。
一般道と平行で走っている合流車線が一般道だった場合でも、じつは『交差点の一部』に該当する道路です。そのため、高速道路か一般道路かに関わらず、合流車線に駐停車することは違反行為になります」
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では、実際の長距離トラックを運転するトラックドライバーは、どう思っているのでしょうか。合流車線の路上駐車について次のように話します。
「確かに合流車線での路上駐車はよく見かけます。路上駐車するドライバーの心理としては、会社から決められた日程のなかで、遅れることなく荷物を届けるのには移動の道中で休憩や仮眠をしつつ、目的地に向かうために止むを得ず路上駐車しているのではないしょうか。
とくに、大型トラックの場合はそのサイズからどこでも駐車出来るというわけではないので、余計に側道や合流車線での路上駐車が増えるのだと思います。
自分の会社では、規則によって走行距離毎に休憩が定められています。また、目的地までのルートも予めいくつか予定をしており、大型トラックが駐められる場所もいくつか候補を決めています。
ただし、世の中の長距離トラックは改善されてきたとはいえ、長時間の運転や過密な日程などドライバーが工夫してなんとかトラブルなく運行出来ている部分も少なくはありませんので、そのような改善が路上駐車の減少にも繋がるのではないでしょうか」
一方で、日本の運送会社で構成されている全日本トラック協会の広報担当者は、路上駐車について次のように話します。
「合流車線に駐停車するトラックが存在することは、事実であると認識しております。しかし、なぜ増えてしまうかについては、こちらで調査をしておりませんので、その背景について把握しきれていない状況です。
ただし、合流車線に限定する話ではありませんが、当協会では高速道路会社と連携して、集中工事などで車線が規制されたり、迂回を余儀なくされるなどで、ETC時間帯割引待ちの車両が料金所手前の路側帯などに駐停車すること防止するため、出発時間の調整やPA・SAなどを利用するよう促すお知らせを当協会ホームページや機関紙などを通じて情報発信しています」
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このように、合流車線での路上駐車は実際のトラックドライバーも止むを得ず路上駐車をしている可能性もあるといいます。
しかし、違法行為に当たるうえに過去には死亡事故にまで発展した路上駐車は、無くさなければならない問題といえます。