日産新型SUV「キックス」の実燃費をテスト! 新開発e-POWERの強みと弱点とは

新型キックスは上り坂での燃費がちょっと厳しい!?

●ワインディング路

走行距離:41.5km
実燃費:15.6km/L

 ワインディング路は、小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースです。

日産新型「キックス」
日産新型「キックス」

 もともとハイブリッド車にとって延々と上り続けるというシチュエーションは燃費的に非常に不利ですが、とくにエンジンが駆動に繋がっていないe-POWERは絶えずバッテリーに電気を供給しなければならないため、15.6km/Lという実燃費になりました。

 郊外モードが20.2km/Lであることを考えると、少々残念な結果だといえます。

 とはいえ遮音性が格段に向上した新型キックスは、このようなシチュエーションでもエンジン音はかなり遠くで回っているかのようで、そこまでの不快感はありません。

 バッテリーへの電力の供給も十分で出力制限が出ることもなく、ワインディング路でモーターの力強い走りを楽しむことができました。

●一般道

走行距離:61.3km
実燃費:20.1km/L

 一般道、国道134号から国道246号、そして横浜市内を経由して再び日産グローバル本社に戻ります。

 本来であれば交通量も多く、信号も多いためにストップ&ゴーが多いルートですが、この時は比較的交通量も少なく、信号で引っかかることも少なかったため、スムーズに走行することができました。

 そのため、燃費はカタログ値の26.8km/Lには届かない20.1km/Lとなりましたが、それでも20km/Lを下回らない数値は及第点といえるのではないでしょうか。

 市街地の走行では「ECO」か「S」モードで走行することでアクセルオフで回生ブレーキを使うことができる「e-POWER Drive」を活用することができます。

 ブレーキペダルへの踏みかえの回数が減って疲労の軽減に繋がるほか、回生ブレーキで電力を回収することで燃費も伸びるという一石二鳥の機能です。

 さらに新型キックスには電動パーキングブレーキのオートホールド機能も備わっているため、停止後に一旦ブレーキを踏むだけで停止保持もしてくれる点も長距離ドライブではありがたいところです。

※ ※ ※

 新型キックスの燃費テストを実施し、最終的には19.31km/Lという数値となりました。

 今回の走行では箱根の上りでかなりロスをしてしまいましたが、このような極端なシチュエーションがない限り、普段乗りで20km/Lを下回ることはないかと思われます。

 e-POWERの持つモーター駆動での爽快な走りはもちろんですが、意外だったのはそのハンドリングです。

 SUVというボディタイプからそこまで期待せずに乗っていたのですが、ワインディングでの身のこなしなどは軽量なノートを凌ぐものがありました。

 その一方で、ワンペダル走行ができるe-POWER Driveでは、完全停止や停止保持機能がない(一旦ブレーキペダルを踏まないとホールド機能がONにならない)ことや、フットブレーキを踏んでも電力が回生できない点などがやや残念ではありましたが、これらは次世代のe-POWERで解消されていることを期待したいところです。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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