なぜハイブリッド車激増? 10年で16倍も!? 新車の半数以上がHV車になった理由

ハイブリッド車はこの10年から20年で急激な普及が進んでいて、もはや自動車業界のスタンダードといえます。ガソリン車よりもハイブリッド車の方が人気というモデルも珍しくありませんが、なぜここまでユーザーに浸透したのでしょうか。

なぜハイブリッドは自動車業界の「スタンダード」になり得たのか

 かつてクルマのパワートレインといえば、ガソリンエンジンが主流でした。しかし、10年ほど前からガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車が急激に普及し始めています。
 
 最近では、ガソリン車よりもハイブリッド車の方が人気というモデルも珍しくありませんが、なぜここまでユーザーに浸透したのでしょうか。

軽自動車、コンパクトカー、ミニバン、SUV、いまやさまざまなジャンルでラインナップされるハイブリッド車
軽自動車、コンパクトカー、ミニバン、SUV、いまやさまざまなジャンルでラインナップされるハイブリッド車

 世界初の量産ハイブリッド車としてトヨタ「プリウス」が発売されたのが1997年、ここからハイブリッド車の歴史は始まりました。

 最近の新型モデルではガソリン車とハイブリッド車のふたつを設定するほど普及しているほか、モデルによっては海外向けにガソリン車があるのにも関わらず日本市場ではハイブリッド車のみをラインナップすることも少なく有りません。

 実際に、販売台数ランキングで上位に位置するモデルの多くにはハイブリッド車が設定されており、モデル別のパワートレイン比率でも半数をハイブリッド車が占めることもあります。

 自動車検査登録情報協会によると、2009年のハイブリッドの乗用車は52万5411台でしたが、その10年後の2019年には845万3451台まで増加し、10年で約16倍もシェアを伸ばしました。

 今や定番のジャンルと化したハイブリッド車は、ブランドによっては販売台数の比率でガソリン車を上回ることもあります。

 日本自動車販売協会連合会によると、2020年7月に販売したガソリン車に対してのハイブリッド車の比率は、日産が69.7%、ホンダが56.2%、スズキが47.4%とし、プリウスや「アクア」といったハイブリッド車が印象的なトヨタは37.4%となりました。

 ホンダは「フィット」や「フリード」などをはじめ、登録車のほとんどにハイブリッド車を設定しているほか、「インサイト」や「アコード」などは海外向けにはガソリン車があるものの日本市場ではハイブリッド車のみとなっています。

 スズキでも「ソリオ」など多くにマイルドハイブリッド車を設定していることからハイブリッド車の比率が高くなっているようです。

 もっともハイブリッド車の比率が高いのは日産となり、同社を代表する電動パワートレインのe-POWERが売れ筋トップ2の「ノート」と「セレナ」に採用されていることが大きいといいます。

 最近では、新型「キックス」にもe-POWERを採用。海外向けではガソリン車もラインナップされますが、日本市場ではe-POWERのみの設定です。

 これほどまでにハイブリッド車が急激に普及している背景について、自動車メーカーのパワートレイン開発の担当者は、次のように話します。

「ハイブリッド車が各メーカーで増えたのは当然のことながら環境問題に対応するためです。先進国とされる欧州や日本では、年々燃費規制が厳しくなっています。

 そのため、各社は技術的に手を付けやすいガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車のラインナップを拡充させることで規制に対応していうことから、現在ではほとんどのメーカーのモデルに設定されているのです。

 プリウスが登場してから約20年経ちますが各メーカーの足並みが揃うのに約10年、そこから一般のお客さまに浸透するのに約10年として今に至ります。

 しかし、燃費規制は2021年以降欧州や日本でさらに厳しくなります。そのため、メーカーは次のフェーズとして、電気自動車やPHV車のラインナップを拡充する動きに入っています。

 日産では電気自動車のリーフとアリア、そしてe-POWER車です。トヨタはすでにほとんどのモデルにハイブリッド車を設定していますが、PHV車や電気自動車、燃料電池車も国や地域によっては積極的に投入しています。

 そして、トヨタが後押しする形でスズキ、マツダ、スバルは各地域での電動化ラインナップを拡充している状況です。

 今後、しばらくはハイブリッド車とPHV車が中心となりますが、充電インフラや充電時間の問題が解消されてくれば、今以上に電気自動車の時代になるかもしれません」

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