車重重いミニバンでもハイブリッドが人気? 「お得感」なくても選ばれる訳とは
ハイブリッド以上に定番化? 後席スライドドアはなぜ人気か
ミニバンではハイブリッド仕様の設定が定番化してきましたが、それと同じくらいか、あるいはそれ以上に定番化した装備として後席スライドドアが挙げられます。
前述の販売ランキングでトップ5を占めるシエンタ、フリード、アルファード、セレナ、ヴォクシーの全車が後席スライドドアを備えるばかりでなく、国産メーカーのミニバン(SUV以外の3列シート車)のなかではトヨタ「プリウスα」のみがヒンジドアです。
そのためか、3列シート仕様と2列シート仕様のふたつを設定するプリウスαについて、トヨタは公式ウェブサイトでワゴンに分類されています。
ハイブリッドミニバンの多くがガソリン仕様という選択肢を残す一方、後席スライドドアを採用したミニバンが後席ヒンジドアの仕様を設定することはないことから、後席スライドドアのミニバンが市場を席巻したといえるでしょう。
では、なぜ後席ヒンジドアのミニバンが減少したのでしょうか。前出とは別のトヨタ販売店スタッフは、ミニバンが後席スライドドアを採用するメリットについて次のように話しています。
「ミニバンは普通の乗用車と違い、2列目シートの後ろに3列目シートがありますが、スライドドアが採用されている理由には、3列目に乗り込みやすくするためというものがあります。
ミニバンでは、2列目と3列目に乗り降りする際に同じドアを使わなければならないため、どうしても開口部が大きくなります。ヒンジドアでは全開にした際にクルマの横にかなり広いスペースが必要とされるため、狭い場所でも開閉できるスライドドアが採用されています」
隣のクルマにドアをぶつける心配がない後席スライドドアですが、3列目シート利用者への配慮というミニバンならではの事情もあるようです。
また、近年はスライドドアが電動化されたことで、小さい子どもや、お年寄りでも力を使うことなく開閉できるため、スライドドアの普及が加速したといえます。
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