流行りのSUVで「お得ではない」ハイブリッドはなぜ人気? 加速力が重視される要因とは
低燃費で経済性に優れているとされるハイブリッド仕様のSUVが近年増加しつつありますが、そもそもSUVに限らずハイブリッド仕様とガソリン仕様の価格差を埋めるのは、年間走行距離がかなり長い人でないと難しいとされています。では、ユーザーはどういった基準でハイブリッド仕様のSUVを選択しているのでしょうか。
ハイブリッドSUVはユーザーから何が評価されている?
燃費性能を向上させるハイブリッドシステムは、いまや人気のSUVにも多く設定されるようになっており、売れ行きを左右する装備のひとつとなっています。
しかし、ハイブリッドシステムのメリットでも経済性の高さを享受できるのは、限られたユーザーのみだというのですが、それでもハイブリッド仕様のSUVが人気となる理由はいったいなんでしょうか。
日本自動車販売協会連合会が発表する2020年7月の販売台数ランキングで、SUV内のトップ5をみると、首位のトヨタ「ライズ」と5位のダイハツ「ロッキー」はガソリン仕様のみとなるものの、2位のトヨタ「ハリアー」や3位のトヨタ「RAV4」、4位のホンダ「ヴェゼル」はいずれもハイブリッド仕様を用意。
さらに、2020年9月にデビュー予定のトヨタ新型「ヤリスクロス」にもハイブリッド仕様が設定される予定となっています。ちなみに、2020年6月にはRAV4にプラグインハイブリッドという給電可能なハイブリッドシステムを搭載した「RAV4 PHV」も追加設定されています。
しかしSUVに限らず、ハイブリッド仕様はガソリン仕様よりも数十万円ほど高価であることから、ハイブリッド仕様が低燃費であったとしても差額を燃料代だけで埋めるのはかなり難しいといいます。
SUVに限らずハイブリッド車を多数扱うトヨタの販売店に聞いたところ、「年間数万キロ以上乗るお客さまであればハイブリッド仕様の方が得かもしれませんが、一般的な年間走行距離の平均といわれる1万キロ程度で燃料代込の合計支出を見ると、『お得』と感じることは難しいと思われます」と話します。
しかし、ハイブリッド仕様のSUVは続々と登場しています。いったい、どのような理由でハイブリッド仕様のSUVは人気を集めているのでしょうか。前出のトヨタの販売店スタッフは次のように話します。
「比較的趣味性の強いカテゴリであるSUVの場合、ハイブリッドシステムのイメージのよさが、決め手になることも多いです。これは、弊社のモデルだけに限らない傾向で、最終的に差額を埋められるかはあまり重要ではないのかと思います。
また、給油回数が少なく済むことを評価するお客さまもいらっしゃいます。ケースバイケースですが、ガソリン仕様の給油回数の2/3程度になるイメージのようです。
なお、最近売れ筋となっているモデルのなかで弊社の『ハリアー』の傾向をみると、モーターアシストによる加速の力強さを評価してハイブリッド仕様を選択されるお客さまもいらっしゃいます」
※ ※ ※
ちなみに前出のRAV4 PHVの場合、給電した電力だけで走行すれば、ガソリンをほぼ消費せず、ガソリンスタンドに行く回数をゼロに近づけることができます。
現行モデルとして販売されているプラグインハイブリッド仕様の国産SUVとしては、三菱「アウトランダーPHEV」が挙げられます。また、三菱は2021年度中にあらたなプラグインハイブリッド仕様のSUV「エクリプスクロスPHEV」を発売予定です。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。